奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々92

<タルタロス・陰鬱きわまる地底の牢獄> 

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 忌まわしいその名を聞いただけで、人間はおろか神々ですらも怖気をふるったという恐怖の対象、タルタロス。
それは冥王ハデスが支配する死の国の更に下、地下世界の中でも最底部に広がる暗黒の奈落です。

 何故それ程迄に恐れられたかといえば、そこが神に対して赦されざる大罪を犯した極悪人どもや神々の王に敵対した反逆神達にあてがわれる苛酷きわまる牢獄であるからです。
この様に書くとキリスト教の地獄のような、心身を焼き苛む劫火に包まれた、荒地を連想しそうですが、タルタロスはむしろじっとりとした冷湿暗鬱な深淵であり、少なくとも視覚的には、それほど人を震え上がらせる凄惨なものではなかったようです。

 とは言え、やはり牢獄は牢獄、快適な場所であるはずがありません。
上層にある冥府、すなわちエレボスとつながる唯一の出入口(エレボスとタルタロスの間にはカオスが広がっていますので、両者を結ぶこの通路はかなり長いものと思われます)は周囲に垣をめぐらした青銅の門によって固く閉ざされ、しかもゼウスの命令を受けた、ヘカトンケイル達によって厳重に監視されています。
一度入ったらゼウスの許しがない限り絶対に脱出不可能な環境の中で、さまざまな刑罰が罪人達の上にのしかかりました。

代表的な囚人たちは以下の通りです。

■ゼウス達と戦って敗れたティタン神族(後に解放)

■オリュンポスの神々に挑もうとした2人の巨人オトスとエピアルテス
→柱を挟んで背中合わせにされ、縄の代わりに生きた大蛇によって容赦なく締め上げられている。

■神々の全知を試すため我が子の肉でシチューを作って神々に供したタンタロス
→冷たい池に腰まで漬けられており、頭上には美味しそうな果実の実った枝が広がっている。しかし水を飲もうとすると水はサッと干上がってしまい、果実を取ろうとすると強風が枝をはね上げて決して手を届かせない。こうして欲しいものを前にしながら未来永劫飢えと渇きに苦しめられている。

■ゼウスの妃であるヘラを誘惑しようとしたイクシオン
→ゼウスが雲で作ったヘラそっくりの人形ネペレを女神本人と思いこんで犯している現場を押さえられた。散々に鞭打たれた挙げ句燃え盛る車輪に磔にされ、肉を焼き焦がされながら永遠にぐるぐると空中で回されている。

■ゼウスの愛人であるレトを陵辱しようとしたティテュオス
→アルテミスまたはアポロンに射殺された(あるいはゼウスの雷に撃ち殺された)後、タルタロスの大地に縛り付けられ、2羽の禿鷹に毎日肝臓を食い破られる罰を受けている。

■死神タナトスや冥王ハデスを騙して死を逃れようとしたシシュポス
→高い山の頂に巨岩を押し上げる労働を課せられているが、頂に着いた途端に岩は反対側へ転げ落ちてしまうため、その労苦には果てしがない。

■自分の従兄弟である夫を新婚初夜に謀殺したダナオス王の49人の娘達
→大きな壺に水をいっぱいに汲み入れるよう命ぜられているが、壺の底には穴があいているため、シシュポス同様永遠に刑罰は終わらない。

続く・・・

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