奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々86

<ヘスティア・温かい家庭の象徴>

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 ギリシアの家は、それが王宮であれ一般市民の家であれ、団欒の場となる広間を中心に建てられており、広間の中央には炉が設けられていました。
この炉は家庭生活のシンボルであり、そこに燃える炎はギリシア人にとって非常に神聖なものでした。

 この炉を司る女神がヘスティアです。
自らに捧げられる聖なる炎そのままに穏やかで優しく、温かで親切な心の持ち主であり、彼女に限っては、人間に立腹して罰を下したなどという話は聞いた事がありません。
又、始終世界を飛び回っている他の神々とは違い、自分の聖所である炉から決して離れません。
その不動性ゆえ印象が薄く地味だと云われますが、逆に言えば必ずそこにいてくれる女神、いつ帰っても必ず迎えてくれる女神として、神にも人にも絶大な安心感を与える存在なのです。

 彼女は家を建てる事を発明した女神であり、強固な家庭守護の力を司ります。
人間達は、新居を建てるとゼウスやヘルメスと並んでヘスティアの来臨を乞い、末永く我が家を護りたまえと熱い祈りを捧げました。
更に、生まれた子供を育てるかどうかが、親の胸先三寸だった古代ギリシアでは、新生児は家の炉端でヘスティアに引き合わされることで初めて家族として承認されたと云います(さもなければ家から放り出され殺されました)。

 慈悲深い彼女は、嘆願者達の保護者をも務めました。
救いを求める者が、誰かの家に駆け込んで炉端に座り込んだら、その家の主はどれほど厄介だと思っても彼らに保護を与えてやらねばなりませんでした。
もしも無下に追い出せば、ヘスティアと供に嘆願者を守るゼウスの怒りに触れ、ひどい破滅が降りかかるからです。
彼女を祀った町の公会堂もせっぱ詰まった嘆願者達の格好の駆け込み寺でした。

続く・・・

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