奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々78

<アイオン・謎多き永遠の神>

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カオスよりも情報量の少ない謎めいた神、それがこのアイオンです。
永遠の時を表す、この神の誕生の次第は、良く分かっていません。
エウリピデスの悲劇『ヘラクレスの子供達』に於いては「時の神クロノス(綴りはChronos。ティタン神族のクロノス=Kronosとは別の神格)の息子」と言われていますが、しかし肝心のクロノス自体の出自が不明です。
恐らくこのセリフは、何らかの典拠によった叙述というよりも、時間を司るアイオンの性質を説明あるいは強調する為、詩人の言葉遊びと取った方が良いでしょう。

 この神は、「永遠」と言うその抽象的な名から考えて、原初神の1人であると思われます。
時間と云う物は運動変化のない処には存在しませんから、世界創造と同時に――すなわちカオスから大地ガイアが、分化するのと同時に生まれたと考えるのが、最も自然なのではないでしょうか(あるいはクロノスの方をカオスから生まれた原初神と考えれば、アイオンをその息子として落ち着かせることも可能ですが……)。

 さて、このアイオン、世界創造以後は、完全にその気配を消してしまったカオスと違い、1つ意外なエピソードを持っています。
神々の王ゼウスの乗る戦車を彼が制作したというのです。
彼が制作した、ゼウスの戦車は、金剛不壊のアダマス製で、普通の神馬の代わりに何と東西南北の風神達を頚木に繋いで走らせるという特別なものです。
黄金でなくアダマスがわざわざ用いられ、その不滅性がことさらに強調されているところに、それを制
作した神の永遠性が反映されています。

続く・・・


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