奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々75

<ニケ・勝利の女神>

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 彼女は、ティタン神族の男神パラスとオケアニスの1人で冥府の河の女神であるステュクスの間に生まれた4人の子供のうちの1人です。
従って彼女もれっきとしたティタン神族の一員ですが、ティタノマキアが勃発した際には母や他の兄弟たちとともに父や同族を捨て、ゼウス率いるオリュンポス陣営につきました。
勝利を呼び込む力を持つニケに去られたティタン軍は、それだけで大打撃を蒙ったことになります。

 10年にも及んだ戦争がオリュンポス側の勝利に終わった後、ゼウスはステュクスとその子供達の功績を讃えて彼らに特別な褒美を与えました。
母神に対しては神々の厳粛なる誓いを司る権能を贈り、子供達にはゼウスの側近として彼の宮殿に一緒に住まう破格の名誉を与えたのです。

 それ以来、ニケはゼウスの随神として常に彼の傍らにあるようになりました。
彼女が側にいる限り、ゼウスは不敗の王者です。
下界で戦争が起こった時には、彼女は主君ゼウスの意思を具現する者として降臨し、彼が勝たせようと思っている側に味方します。
まだ勝敗の行方が定まっていない時には、彼女もまた戦場の真ん中でどちらにもつかずにうろうろと飛び回ります。

 又、後にはゼウスの愛娘にして知と戦の女神であるアテナと親しく結びつき、この偉大な処女神の随神と見なされるようにもなりました。
特にアテナイの人々は彼らの守護女神とともにニケを熱心に崇め、アクロポリスに優美な小神殿を建てて「ニケ・アプテロス(翼なきニケ)」の像を祀りました。
有翼と決まっている女神をわざわざ翼なしの姿にしたのは、彼女がアテナイを捨てて飛び去ってしまわないようにとの願いからだといわれます。
パルテノン神殿内に安置されていた巨大なアテナ・パルテノス像の右手にもニケの小像が乗っていたことはよく知られています。
このように二者の結びつきが強くなるにつれてギリシア神話お得意の同一視も進み、やがて「アテナ・ニケ(勝利の女神アテナ)」という呼称がアテナの異名の1つとなりました。

続く・・・

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