奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々72

<レト・夜の女神 地の女神>

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 神々の王ゼウスと交わって、光明の双子神アポロンとアルテミスを生んだことで名高いレトは、ティタン神族の一員です。
父は天の極を司ると思われる神コイオス、母は月の女神ポイベ、妹は星の女神アステリアという天空一家の娘として生まれました。
この家系から考えると、つい当然のように「レト本人も空や月などに関係のある女神だったのだろう」と見なしたくなりますが、残念ながら必ずしもそうとは言い切れず、レトの権能についての見解は割れています。
神話中でその権能を明確にされていない神が何を司っていたのかについては、その神の名前などから推測を重ねて行くしか無い訳ですが、レトの場合はその名についての有力な解釈が2つ存在し、何れとも定め難いのです。

■夜の女神説
→Leto を Letho の変形と見なし、「注意を逃れる、気付かれない」という意味の動詞 lanthano より派生した名として「気付かれぬ者、見えざる者、隠された者」と解釈する説。
この場合、レトはその名が示す静謐さや不可視性、また先程挙げた家系や「優しく穏やかでオリュンポスの神々の中でも一番柔和な、黒衣をまとう女神」というヘシオドスの記述などから夜の闇を司る女神ではないかと考えられ、ゼウスと交わって双子神を生んだ事については「天空と夜闇から光明が生まれた」という解釈がなされます。

■リュキアの地母神説
→Leto をリュキア地方の言葉で「女」を意味する lada の変形と見なし、レトの本来の姿はリュキアで崇拝されていた豊饒の地母神であるとする説。
「レトが双子神を生んだのはデロス島ではなくリュキアである」という伝説などから、レト・アポロン・アルテミスは、元々小アジアで崇拝されていた神格がギリシアに持ち込まれて定着した外来神であると考えられ、ゼウスとの交わりは世界に様々な恵みをもたらす「天と地の聖婚(hieros gamos)」として解釈される。

 恐らく正解等見つからない話なので、どちらでも好みの説をお採りになれば宜しいかと存じます。
系譜的にすっきりするのは前者ですが、総合的に見てより妥当性が高いのは後者という処でしょうか。

 レトが夜の女神であれ地母神であれ、はたまた別の何かを司る神であれ、神話を楽しむ上では何の影響もありません。
彼女にとって大切なのは、「アポロンとアルテミスの母である事」、なのです。

続く・・・


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