奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々62

<ハルモニア・不義から生まれた和の女神>



 「調和」という麗しい名を冠する女神ハルモニアは、その名に相応しい出自として、愛の女神アプロディテと闘争の神アレスという相反する性質の両親を持っています。
鍛冶神ヘパイストスを夫とするアプロディテにとって、このハルモニアはずばり不義の子。
しかも彼女の不倫については、天界中知らぬ者もなく、生まれた娘が夫の子でないのは誰の目にも明らかです。
流石にそんな娘を堂々と育てる事を恥じたアプロディテは、乳飲み子のハルモニアを抱いてサモトラケ島へ降ると、そこに住むゼウスの愛人で子育て真っ最中だったエレクトラの館を訪れ、養育を頼みました。
そうして自由の身になるやいなや、さっさとオリュンポスへ帰って再び浮気三昧という呆れ果てた有様。

  しかし、そんな勝手な実母から育児放棄されても、彼女の1万倍ほど愛情溢れる養母に慈しまれたお陰でハルモニアは不幸に成らずに済みました。
と言うのも、自分の3人の子が男児ばかりだったエレクトラは女の子を託された事を喜び、実の娘のごとく熱愛して懇ろに養い育ててくれたからです(そのためかハルモニアをゼウスとエレクトラの実子と見なす説も存在します)。
ハルモニアが両親のどちらにもない穏和な性格となだらかな物腰を身につけたのは、無論本人の資質もさることながら、この優しい養母の薫陶によるところも大きかったのでしょう。

 さて、幾年かの月日が流れ、母親似の匂いやかな美女に成長したハルモニアは、オリュンポスに戻り、アプロディテの随神として愛し合うカップルの和合円満を守護する仕事をするようになりました。
エロスの矢によって、結ばれた2人の間に穏やかな親愛に満ちた一体感を齎す、とても素敵な職務です。

 しかし程なく、その仕事は彼女自身の縁談によって中断せざるを得なくなってしまいました。
と言うのも、彼女の夫に選ばれた相手はオリュンポスに住まう神ではなく、何と地上に生きる死すべき人間の男だったからです。

続く・・・・


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