奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々60

<コイオス&ポイベ天界の夫婦神>



 コイオスとポイベは12人のティタン神族に5組(イアペトスの妻をテミスとしない場合は4組)誕生した兄弟姉妹夫婦の1組で、神話における彼らの影は薄く、何を司る神々であったかをそのエピソードから読み取ることは不可能です。
こういう場合は、彼らの名前の意味から権能を推測するしかありません。

 まず妻のポイベ女神については、「輝く女」というその名の意味、また2人の娘のうち1人が「星の女」という名を持つアステリアである事が重要な手がかりとなり、星々の母である輝けるものといえば、月。
ポイベが月神の性格を持っていたことはほぼ間違いないだろうと考えられます。

 次に夫のコイオスについてですが、その名の意味については2通りの解釈が存在します。
1つ目は、「気付く、知覚する、理解する」という意味の動詞 koeo を語源と見なす説で、この場合コイオスは「悟る者」というような意味になりますが、この名前からは「賢い神だったのかな?」という程度の推測はできますが、具体的に何を司っていたのかを推し量ることは困難です。
 
 2つ目は、カール・ケレーニイが指摘するように「天球」という意味の単語 koia を語源とする説です。この解釈に従うならば、コイオスはほぼ100%天空神であると断定して問題ないでしょう。
更には、彼の別名と思しき「ポロス」という名もこの天空神説を後押しします。というのも、ヒュギヌスがその著書『ギリシャ神話集(Fabulae)』の中で、ポイベの夫にしてレトとアステリアの父である男神のことをポロスと呼んでいるのですが、このポロス(polos)とはギリシア語で「天球の回転軸、天の極、天球そのもの」などを指す言葉なのです。

 これをも踏まえて考えると、コイオスは天空神の中でも特に天球の回転運動などを司る神であった可能性が高くなります。
「天空の神が月の女神を娶って星の女神を生んだ」というのは系譜的にも美しく整合しますし、十分妥当な解釈であると言えます。
無論、総ては、後世の推測に過ぎず、古代ギリシアに於いて真実そう考えられていたかどうかを証明することは誰にもできません。

続く・・・・



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