奈津子の徒然雑記帳

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ギリシア神話の神々58

<テュケ・気まぐれな富の恵み>



 人々に思いがけない幸せを齎してくれるギリシア神話の幸運の女神テュケ。
この名前は知らなくても、fortuneの語源であるローマ神話の運命の女神フォルトゥナの名はご存じでしょう。
テュケはこのフォルトゥナと同じ神格です。

 彼女は大洋神オケアノスとその妻テテュスから生まれた3000人のオケアニス達の1人ですが、水の女神として神話に登場することは殆どなく、その名のとおり運の神・福の神として人々の尊崇を受けました。
絶頂から谷底へ急落したかと思えば再び高みへ舞い上がる、千変万化の人間の運勢を司る女神として、テュケは車輪(タロットの大アルカナ10番目のカード「運命の輪」といえばおわかりですよね)を携えた姿、あるいは球体に乗った姿で描かれます。
球の様に絶えず流転する不安定な運気の渦に人間を巻き込んで弄ぶ、気まぐれな女神というわけです。
 
 しかし、運気上昇中の人間に対しては惜しげもなく恵みを注いでくれる為、特に幸運の女神と見なされ、富の象徴である「豊饒の角」を持った姿か、または幼い富の神プルトスを抱いた姿で表現されることもあります。
その際、相手が不正・邪悪な者であったとしても頓着せずに富をバラまくので、
「正直者が貧乏なままなのにあんな連中が肥え太るなんて、テュケ様の目は何も見てないね!」
と考えられ、しばしば盲目の女神として目隠しをした姿で描かれます。
この善悪・正邪関係なしに恩恵を垂れるという点で、テュケは因果応報の女神ネメシスと対をなします(ネメシスは善には賞で、悪には罰で正当に報いる女神です)。

 更に、テュケは舵や帆、小さな船などを手にした姿で描かれることもあります。
これは船乗りたちが「嵐に遭うも遭わぬも、助かるも助からぬも運次第」と考え、絶対服従すべき女王として彼女を畏れたところから来ているようです。
彼女が水の女神達の1人に数えられているのも、もしかしたらこの辺りの事情からかもしれませんね。

続く・・・・



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