プルトス2009-04-21 Tue 00:10 <愛すべき神の恵み> 大地の実りをいっぱい詰め込んだ「豊饒の角」を抱える幼い男の子――微笑みを誘う愛らしい姿をした福の神プルトスは農耕の女神デメテルの愛児です。 デメテルが彼の父親となる人物と出会ったのは、調和の女神ハルモニアと英雄カドモスの結婚式でのこと。 神界を挙げて催された盛大な祝宴に列席した彼女は、ハルモニアの兄弟分として出席していた若者イアシオン(ゼウスとエレクトラの子)と熱烈な恋に落ちました. 宴果てた後、彼らはイアシオンが住むクレタ島に移動し、3度鋤き返した畑の上で心からの抱擁を交わしましたが、これを知ったゼウスは女神が人間を愛したことに激しく嫉妬し、自分の息子であるにも関わらずイアシオンを雷で撃ち殺してしまいました。 デメテルが行った畑での生殖行為は農地の生産力を高める豊饒の儀式の一形態です。 よって、この聖婚によって誕生したプルトスは豊かな富、特に穀物の実りを象徴する神として母デメテルや姉ペルセポネとともに崇拝されました。 エレウシスの秘儀に入信して両女神の恩寵を受けた者のもとにはプルトスが遣わされ、その家は豊かな繁栄を享受したといわれます。 また、古代彫刻などにおいては、プルトスは平和の女神エイレネや幸運の女神テュケの腕に抱かれた姿で表されたり、職人たちの守護神アテナ・エルガネ(工芸神アテナ)像と一緒に祀られたりしました。 これは平和・幸運・勤勉といったものが富をもたらすことの象徴で、恵みの神というよりも、むしろプルトス自身が神々の恵みそのものといった感じですね。 |
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