鞆の浦の景観保護をめぐる訴訟の広島地裁判決を受け、控訴の断念を県側に申し入れる原告住民ら(左)=6日午前、広島県庁 県は控訴断念せよと原告住民ら 鞆の浦景観訴訟瀬戸内海の景勝地・鞆の浦(広島県福山市)の景観保護をめぐる訴訟の原告住民らが6日、広島県庁を訪れ、県知事に県と市への埋め立て免許交付差し止めを命じた1日の広島地裁判決を受け入れて控訴を断念し、事業を中止するよう文書で申し入れた。 6日午後には福山市へも要請、藤田雄山知事や羽田皓市長は原告住民らとの面会を拒んでいる。 原告の一人で、住民の会代表の松居秀子さん(58)は県庁内の会議室で要望書を読み上げ、「判決が下った以上、知事は新しい鞆の町づくりを推進するための勇気ある決断をしてほしい」と控訴断念を迫った。 これに対し、万徳良男土木総務課長は「判決は承服しがたい。内容を精査し、福山市と協議して対応を決める」と答えるにとどまった。控訴期限は15日。 広島地裁は1日「文化的、歴史的景観は住民だけでなく国民共有の財産というべき公益で、埋め立て架橋事業で重大な侵害の恐れがある」と認定。景観保護のために大型公共事業を差し止める初の司法判断を下した。 【共同通信】
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