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化学兵器除去剤の開発に成功 窯業技術センター | |||
佐賀県窯業技術センター(西松浦郡有田町)は、警察庁などとの共同研究で、サリンなど化学兵器の分解除去剤の生成に成功した。センターが開発して特許を取得している酸化チタン溶液の光触媒機能を応用、汚染現場に散布できる水溶液や分解効果を持つ塗布剤をつくった。実用化に向けてさらに研究を進める。 酸化チタンは光を取り入れて活性化し、周りの物質の化学反応を促進させる「光触媒」の一種。細菌やにおい、汚れの元になる物質を分解する。同センターは酸化チタンを溶液化する方法で特許(佐賀県有)を持っており、この技術に着目した警察庁科学警察研究所(千葉県)や産業技術総合研究所(茨城県)の申し入れで、2006年から共同研究に取り組んできた。 除去剤開発には、光触媒機能を高め、分解能力を向上させることが課題だった。共同研究では酸化チタンの結晶を細分化して表面積を広げることを追究。結晶をマイクロ波で急速に加熱することなどで、結晶の大きさを20ナノメートル(ナノメートルは100万の1ミリメートル)から7ナノメートルに細分化することに成功、有機ガスの分解速度を従来の2倍に早めることができた。1リットルの容器に密封したアセトアルデヒド1000ppmに除去剤0・01グラムを入れて実験。従来は3時間かかっていた分解時間が半分になったという。 開発した除去剤は、ペースト状の塗料と水溶液の2種。科警研での実験ではサリン、タブン、マスタードガスを60分以内に、最も毒性が強いVXを20分以内に99%以上分解する結果が出た。水溶液は汚染現場に散布する使用法、塗料は空気清浄器などに活用する方法が考えられるという。別の学術機関が取り組む生物化学兵器の検知、吸着技術と組み合わせて実用化を図る。 地下鉄サリン事件などこれまでの汚染事案では、分解除去剤には漂白剤として知られる次亜塩素酸塩や炭酸ナトリウムが使われてきたが、強アルカリ性で人体や動植物を溶かすなどの問題があった。酸化チタンは人体に無害で、製品化されれば世界中に広がる可能性があるという。 同センターの一ノ瀬弘道副所長は「大きな課題だった分解速度をクリアして手応えを感じている。国はもちろん、将来は民間の役にも立つはず」と話す。
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2009年07月11日更新 | |||
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