裁判員が被告に「あなたは恵まれている」

　覚せい剤を使用後、ビデオ販売店の男性店員にけがをさせ現金を奪ったとして、強盗致傷罪などに問われた塗装工柳拓朗被告（３５）の裁判員裁判が９日、大阪地裁（中里智美裁判長）であり、男性裁判員が「（待っていてくれる）家族がいて恵まれているのだから、薬物を断たないといけない」と語り掛けた。

　事件後の保釈中に子どもを授かったという柳被告が「子どもを抱いたときに胸が張り裂けそうになり、自分の愚かさに気付いた。今回の服役で強い意志を養いたい」と答えると、裁判員は繰り返しうなずいていた。

　起訴状によると、柳被告は５月１７日、覚せい剤を使用、同日午後１０時２０分ごろ、大阪市西成区のビデオ販売店で、男性店員にカッターナイフを突き付けてレジの現金５万６０００円を奪い、店員の左肩を切りつけてけがをさせたとしている。（共同）

　［2009年10月9日12時11分］