Print this Post Article Lists Back

韓国の天気予報、外れる理由はここにあり(上)

各機関で別のレーダーを運用

 先月29日夜7時ごろ、ソウルと京畿道の一部地域で突然雨が降り出した。仕事を終えて帰宅途中だった市民は、びしょ濡れになりながら走り回っていた。前日の天気予報で気象庁は、「中部地方で時々雲が覆う程度」と予想していたが、これが大きく外れたのだ。

 気象庁の予報は、昨年の相次ぐ誤報で社会から激しい非難を受けた。今年は昨年に比べ、降水確率の正確度は5%ほど改善したというが、それでもまだ不十分との指摘を受けている。

 科学技術が日々進歩している中で、天気予報の正確さが改善されない理由は何か。天気予報の正確さを高めるために米国から特別に招かれた気象先進化推進団のクロフォード団長(65)は、その第1の理由として、気象レーダーの問題を指摘した。各機関がそれぞれレーダーを所有し運用しているため、データの共有が進んでいない。そのため、総合的な気象の予測能力が低下しているというわけだ。

■別々に運用されている気象レーダー

 米国で30年近く気象専門家として活動してきたクロフォード団長は、「複数の機関で26台の気象レーダーを運用しているが、これらを統合して“レーダー運用センター”を立ち上げるべきだ」と提案している。

 気象レーダーは電波を発射し、雲の中の水滴の粒子を観測する方式で降水量や雨の降る場所、雨雲の方向などの情報を収集する装置だ。韓国には現在、気象庁に12台、空軍9台、国土海洋部2台、米空軍2台、羅老宇宙センターに1台など、計26台の気象レーダーが設置されている。気象レーダーは1台当たり数十億ウォン(10億ウォン=約7600万円)はする非常に高価なものだ。

金成謨(キム・ソンモ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る