後期医療新制度移行は13年度 負担軽減策は継続長妻昭厚生労働相ら政務三役は8日、75歳以上の約1360万人が加入する後期高齢者医療制度について、廃止の時期を2012年度末とし、13年度から新制度へ移行する方向で検討に入った。 詳細な制度設計に向け、今月中にも有識者や自治体関係者らでつくる検討会議を設置。約1年かけて制度改革大綱を定め、11年に関連法案を国会へ提出する考え。法案成立後、自治体のシステム改修や住民への周知などに2年程度要するため、3~4年間は現行制度が続くことになる。 廃止までの間、現行の保険料負担軽減策は続ける方針で、来年度予算の概算要求に約3千億円の必要財源を盛り込む考え。また、来年度は2年ごとの保険料改定に当たり、保険料上昇が予想されるため、抑制のための国費投入も計上する。 後期医療制度は08年4月に導入されたが、75歳で区分したことから「姥捨山」などと批判が続出。民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で廃止を掲げ、長妻厚労相も就任時に明言していたが、時期やスケジュールは明示していなかった。 新制度では(1)現在のような年齢区分はやめる(2)以前の老人保健制度には戻さない(3)後期医療廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する(4)個々の高齢者に急激な負担の増減がないようにする―などの点を基本方針とする。 民主党は衆院選前の国会論戦では、後期医療の前身である老健制度の復活を主張していた。しかし、老健制度では給付と負担の関係が不明確で、現役世代の将来負担の膨張に歯止めがかからないと指摘されるため、方針を転換した。 後期医療制度は自公政権下では枠組みが維持され、低所得者への負担軽減策など運用面の修正にとどまっていた。 【共同通信】
|