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ウィニー開発者に無罪 大阪高裁 1審破棄 著作権侵害 幇助と認めず

10月8日15時25分配信 産経新聞

 ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開してゲームソフトなどの違法コピーを助けたとして、著作権法違反幇助(ほうじょ)の罪に問われた元東大大学院助手、金子勇被告(39)の控訴審判決公判が8日、大阪高裁で開かれた。小倉正三裁判長は「著作権侵害をしないよう注意喚起してウィニーを提供しており、幇助犯とは認められない」として罰金150万円(求刑懲役1年)とした1審京都地裁判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。

 ウィニーをはじめとするファイル共有ソフトを用いた著作権侵害は増え続けており、開発者の刑事責任を認めるかどうかが注目されていた。弁護側は「ウィニーの開発は著作権侵害目的ではなく、面識のない利用者の違法行為に対するソフト開発者の幇助罪は成立しない」と無罪を主張していた。

 判決理由で小倉裁判長は、ウィニーを「価値中立的なソフトで、有用性があるとともに著作権侵害にも用いられる」と指摘。幇助罪の成立は「著作権侵害の用途のみ、または主要な用途とするようネット上で勧めて使用させる際に幇助犯が成立する」との基準を示したうえで、「不特定多数の使用者の中に違法行為をする者がいると認識していただけでは幇助罪にはあたらない」と述べた。

 金子元助手は平成14年5月、ウィニーをインターネット上で公開。群馬県高崎市の男性ら2人=著作権法違反罪で有罪確定=が15年9月、ゲームソフトや映画などを違法にダウンロードできるようにするのを助けたとして起訴されていた。

 太田茂・大阪高検次席検事の話「無罪判決は意外であり、極めて遺憾。判決内容を精査し、適切に対応したい」

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最終更新:10月8日15時33分

産経新聞

 

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