赤ちゃんの奇跡
成田に到着し、CAさんに、「クーハンをお出ししますので少しお待ちいただけますか?」
と言われ待っていました。
だいぶまたされてたのですが、またされついでにCAさんと雑談してました。
「成田は到着ロビーにカートがないのが不便ですね〜」、とか
「ほんとは車椅子を頼みたかったんですよ〜」、とか。
そんな母の腰の話を聞きつけたANAの空港の係員の方が、
荷物のターンテーブルのところまで荷物を運ぶのを手伝ってくださいました。
普段のわたしだったら、そのようなお気使いってなんか少し気恥ずかしいのだと思うのですが、
ここは母もとっても大変な時だったので、そんなご親切に甘えてしまいました。
荷物をカートに載せていただき、税関通り、外へ。
実家までのエアポートリムジンのチケットを取ったあと、
大きいスーツケースを宅配便にもって行き、バス乗り場でバスを待つそれいゆと母。
日本のお外の空気は、香港とはぜんぜん違うくて、
スーッと通った秋の空気の感じがしました。
バス待ちの列で、耳を疑ったのは、広東語の会話がなぜか聞こえてきたのだよ!?
香港人らしい何人かのおんなのこが、なぜか甲府行きのバスを待っているのでありました。
観光か?住んでるのか?
興味津々に話しかけてみれば、甲府の語学学校に留学をしているらしいのであります。
すごいすごーい!
こんなたくさん(3人?)の香港人の留学生が甲府にいるんだ〜!
母ちょっと感激(笑
お友達になりたくなっちゃいました。
バスは時間ぴったりに到着。乗り込む母とそれいゆ。
いつも甲府行きは席にゆとりがあるので、
母もとなりにそれいゆのクーハンを置いて二人分の席を占領しておりました。
と、すると・・・。
母達の後ろの席から香ばしい臭い・・・。
西アジア系の方が座ってるじゃありませんか!?
いやね、他にも席あまってるんですけど、
なんで敢えて母とそれいゆの席の後ろを選んでしまったのあなた・・・
と、心の中で突っ込みを入れていた母。
母達の近所の席の乗客さん方も
長袖の袖を伸ばし、口元に当ててたり、明らかに顔をしかめていたり・・・。
ええ。普通の日本人だったらあの臭いに顔をしかめない人はいないでしょう・・・。
母は疲れていたのと眠かったのが勝ってたので、
しばらく我慢してたのですが、
それいゆが愚図り始め、精神的に、その香ばしい香りにまで耐えなければならないという
プレッシャーにはもう耐えられないと限界を感じ、
荷物はそのまま座席に置いたまま、
途中から一番うしろのトイレの脇の空いている席に移ってしまいました。
トイレの横の席の方がまだ平気!?
そんなこんなで、母もそれいゆも、殆どの時間を眠って過ごして4時間弱。
高速を降りてエンジン音が変わったあたりでそれいゆがまた盛大に愚図り、
見てみれば、ブッブが洋服の外まで漏れてしまい、
もともと甲府に着く前までに一度は着替えさせようと思っていたのですが
ここぞとばかりにそのあとすぐ用意していた服に着替えさせてしまいました。
じいじとばあばに初めて会うのだからと、
退院の時と、生後一ヶ月の日と、この日三回目になる
例のセレモニードレスを用意しておりました母なのでした。
愚図りMAXのそれいゆをバスの座席で着替えさせると言うのは
相当な荒業で、母は冷や汗と脂汗を混合でかきながらようやく駅直前で着替えを完了させました。
生着替えのような危機一髪の冷や冷や感でありました(笑
甲府へ到着、8時半。
じいじに駅まで迎えにきてもらい、帰宅。
それいゆ、お外の世界に出てきてから初めての甲府。そして母の実家。
妊娠中の母の血液検査でダウン症陽性が出た時以降のじいじとばあばの母に対する冷たさ。
パパの現状に関しても、ぜんぜんいい顔をしていない状況なので、
正直母がそれいゆを連れて帰る、と言っても、嬉しいなどという表現は全然して下さらなかった
じいじとばあば(特にばあば)。
でも、いろんな人に母は言われてましたが、
やっぱり、赤ちゃんの奇跡っていうんでしょうかね、
どんなに難癖つけてても、どんなに否定していても、
それいゆの顔見ちゃったら、じいじもばあばも顔が一瞬で綻んじゃってました。
それいゆにめろめろです!
ありがとね、それいゆ。
奇跡を起こしてくれて。
しばらくの間、どうにかやって行けそうです。
(それいゆ初めての飛行機、話おしまい)
2009/10/08 13:59 | それいゆ1ヶ月(香港・日本) TOP