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足利事件:検察官、公判中も取り調べ 宇都宮拘置支所で

 栃木県足利市で90年に4歳女児が殺害された足利事件で、再審開始が決まった菅家利和さん(62)側に検察側から開示された取り調べ内容の録音テープには、足利事件に関する供述も含まれていた。菅家さんは録音当時、足利事件で公判中のため、法廷での調べが中心になるが、検察官による取り調べは宇都宮拘置支所で実施されており、宇都宮地検の高崎秀雄次席検事は7日の定例会見で、「違法かどうかはケース・バイ・ケース。今回がどうかはテープの内容に関係するのでお答えできない」と述べた。

 開示されたテープは検察側が、別の二つの女児殺害事件の取り調べを録音し、菅家さんが足利事件への関与をいったん否定したものの、再び自白へ転じる様子が収録されている。

 菅家さんは足利事件で91年12月に逮捕、起訴され、92年2月の1審初公判で起訴内容を認めたが、同12月22日の第6回公判で否認に転じた。93年1月の第7回公判で再び「自白」するが、結審直前以降は一貫して無罪を主張した。

 関係者によると、問題のやりとりは最初に否認へ転じた92年12月上旬に録音された。菅家さんは足利事件について、「やっていません」と否認したが、翌日の調べで検事から「証拠上、犯人なのは間違いない」などと言われ、再び関与を認めた。

 菅家さんのこうした供述の変遷の真意も問いただされているという。

毎日新聞 2009年10月8日 東京朝刊

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