【記者手帳】エンジン止まる新車、交換は困難
本紙が6日付紙面で、走行中にエンジンが止まる乗用車に関する記事を掲載したところ、ソウル市内に住む男性Cさん(34)が送ってきた電子メールの内容だ。
2年前にA社の軽自動車を購入したCさんは今年8月、走行中にエンジンが止まり、指定整備工場に車を預けた。しかし、その後もエンジンは頻繁に止まり、40日間に8回も修理した。困り果ててA社のサービスセンターに電話をすると、「交換は不可能だが、故障したときには持って来れば修理に応じる」という回答だった。「もう8回も修理している。どうすればよいのか」と聞き返したが、担当者は「持って来るたびに修理に応じる」という言葉だけを繰り返した。
走行中のエンジン停止は、状況によっては命にかかわる重大欠陥だ。しかし、消費者は原因究明や補償、交換などのサービスを受けられないケースが多い。
消費者の紛争解決基準によると、新車購入後1年以内に安全上重大な欠陥が繰り返し明らかになった場合、車体の交換や返金を受けることが可能だ。しかし、自動車メーカーの車両交換・補償担当者は、「紛争解決基準が強制条項ではない上、基準通りにすべて車両交換に応じると損失があまりに大きいため、交換は現実的に難しい」と述べた。
一方、米国で自動車を購入する際には、欠陥車に関する消費者被害補償法「レモン法」に関する説明書が添付されている。州によって異なるが、1年半以内に安全に深くかかわる故障で2回以上修理を受けるか、同じ故障で4回以上修理を受けた場合には、交換や返金を販売業者に義務付けている。
しかし、韓国では自動車の車体交換、返金が非常に難しい。韓国消費者院によると、走行中のエンジン停止の80%は新車購入後1年以内、すなわち交換可能な期間内に発生するが、実際にメーカー側が交換に応じる比率は5.8%にすぎない。価格が数万ウォン(1万ウォン=約760円)の商品なら問題が生じると交換してもらえる。なぜ数千万ウォン(1000万ウォン=約76万円)の自動車は交換してもらえないのか。
崔元碩(チェ・ウォンソク)記者(産業部)
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