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光母子殺人の元少年被告の実名本が書店に 発売見合わせの動きも

2009.10.7 13:18
このニュースのトピックス光市の母子殺害事件
発売された単行本「A(実名)君を殺して何になる」=7日午後、東京都新宿区発売された単行本「A(実名)君を殺して何になる」=7日午後、東京都新宿区

 山口県光市母子殺害事件の被告の元少年(28)=死刑判決を受け上告中=を実名で記した単行本が東京都内の一部書店で発売された7日、発売見合わせなど書店の対応は分かれた。

 紀伊国屋書店新宿本店では、7日昼前に店頭に本が並んだ。同書店総務部は「司法の判断がまだ下されておらず、通常の扱いで販売する。店舗への指示もない」。池袋本店で発売を始めたジュンク堂書店も「何らかの判断が示されれば従う。現段階で自粛することはない」という。

 一方、発売の見合わせを決定した丸善は「名誉棄損が問題となる可能性もある。本が一度出回れば回収は著しく困難。裁判所の判断を待って検討しても、読者の知る権利を損なうことはない」と説明。三省堂書店も当面の販売を見合わせ、今後の状況をみながら対応を検討するという。

 本は「A(実名)君を殺して何になる」(インシデンツ刊)で、大学職員の増田美智子さんが被告らを取材して執筆。「本人に実名で書くと伝え、了解を得ていた」と主張している。これに対し、弁護団は広島地裁に出版差し止めの仮処分を申し立てた。

 弁護団の一人は「仮処分は被告の意思。実名表記は承諾していない」などと話している。

このニュースの写真

発売された単行本「A(実名)君を殺して何になる」=7日午後、東京都新宿区
光市母子殺害事件の実名報道本の著者、増田美智子さん
光市母子殺害事件の差し戻し控訴審判決公判に臨む被告の元少年(中央)と本村洋さん(右)(イラスト・田村角)
元少年への死刑判決後の記者会見で、着席して目を閉じる本村洋さん=22日午後0時30分、広島市内のホテル
死刑判決後の記者会見を終え、退席する本村洋さん=22日午後1時7分、広島市内のホテル
元少年への死刑判決を受け、記者会見する安田好弘主任弁護人(左)ら=22日午後2時34分、広島市中区の広島弁護士会館

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