開会中の広島市議会定例会で、経営危機の日本航空が全2路線の撤退を検討している広島西飛行場(広島市西区)をめぐる質問が相次いでいる。市は厳しい現状認識を示しつつも、従来通り「東京線誘致を目指す」との答弁に終始している。
7日の市基本構想・基本計画特別委員会。渡辺好造氏(公明・南)が、2020年度までを期間とする基本計画案に「東京線誘致」があることを指摘し、「10年後の西飛行場像は」と聞いた。
市側は「東京や地方への小型線が就航し、防災拠点としても市民、広島県民に親しまれる飛行場となる」と答弁。飛行場を取り巻く現状との「落差」に、出席していた議員から苦笑が漏れた。
30日から3日間あった本会議の一般質問では2人が問うた。沖宗正明氏(市民市政ク・安芸)は、羽田空港の第4滑走路が来秋に完成した後も、発着枠の確保は困難だと主張。「定期便が来年無くなり、県が運営から撤退しても、市が単独で維持する覚悟があるのか」とただした。
市は、発着枠確保についての見通しは明らかにせず「あらゆる可能性を求める」と述べるにとどめた。市単独で運営する可能性については、県と検討会を設けて将来像を協議中として言及を避けた。
碓井法明氏(自民新政ク・東)の質問に対しても、新規路線の開拓に努力する姿勢を見せたが、具体的なめどは示さなかった。
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