「座敷わらしの宿」として知られる岩手県二戸市金田一の温泉旅館「緑風荘」が全焼しました。
座敷わらしの名前は亀麿(かめまろ)と呼ばれ、宿では物の怪としてではなく先祖の守り神(精霊)として同施設内に亀麿神社をつくり祀っているそうですが、この亀麿神社だけは焼けなかったそうです。
マスコミは、座敷わらしのことだけを報道していましたが、この火災は日本の将来に、いや、地球の将来に大きな「ヒント」を与えてくれたと私は考えています。
それは、鎮守の森は火災に強いということです。横浜国立大学の宮脇昭博士は、著書「木を植えよ」にこのように書かれています。
<引用開始>
照葉樹は、一般に派が厚く、特にタブノキなどは火事のときには「水を吹く」といわれるくらい水分を含んでいて、火にも非常に強いのです。このように照葉樹の、火事や台風、集中豪雨などに対する強さは今までも明らかになってきましたが、地震に関しての実体験はこれまでありませんでした。
95年の1月の未明、阪神・淡路地方を襲った大地震は6千人以上の犠牲者を出す大惨事となりました。
中略
土地本来の主木であるアラカシやヤブツバキ、モチノキ、また潜在自然植生が許容するクスノキなどが一列でも植えられていた所では、その凄まじい火の嵐が止まっていたのです。こうした場所は、住民の一時的な逃げ場所、逃げ道になったはずです。
古い神社では、コンクリートの鳥居が倒れたり、木造の杜が倒れたり焼けたりしていましたが、「鎮守の森」自体は、葉が焼けて茶色になった木もありましたが、一本も倒れていません。その年の9月に行われた調査では、葉も再生していました。鎮守の森は直下型の阪神・淡路大震災にも耐えたのです。
<引用終了>
これからの公共事業は、コンクリートの堤防などではなく、照葉樹の「堤防」をつくりに方針転換するべきです。公共事業は「良性の公共事業」と「悪性の公共事業」に分けられますが、このような「緑の公共事業」、つまり「グリーンニューディール」に何兆円かけても国民は納得するはずです。(土建業者の「産業転換」が一気に進みます)
火事で、緑風荘が焼失したのは残念ですが、幸せをもたらすと言われる座敷わらしが私たちに示してくれたのは、緑の再生への道すじではなかったのか、私はそう信じています。
子ども達の未来のために「木を植えよ!」「鎮守の森をつくれ!」
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