国家情報院と海洋警察庁が先月22日、釜山(プサン)新港で押収した4つの北朝鮮関連コンテナは、当初の目的地がシリアだったことが分かった。これまで国際社会は、北朝鮮がシリアに核技術を移転しているとの疑いを強めていた。
韓国政府の当局者は6日、「今回押収されたコンテナがシリア行きの貨物という事実に、韓国と米国の情報当局は注目した。コンテナの中に入っていた防護服が、シリアの核および生物化学兵器といった大量破壊兵器(WMD)の開発に使用される可能性を憂慮している」と話した。さらに、同当局者は、「政府は、押収したコンテナに入っていた防護服が一般的な化学兵器用なのか、核および生物化学兵器の開発や使用に必要な特殊用なのかを確認するための実験を行ない、その結果を分析している」と付け加えた。
今回押収された防護服は、ロシアモデルだという。このため、北朝鮮が模倣品を作ったか、ロシア製品を仲介または再加工して輸出した可能性があると、政府は見ている。生物化学兵器の生産および拡散を防止するために85年に発足した「オーストラリア・グループ(Australia Group)」は、防護服も生物化学兵器の関連装備と規定して、輸出入を統制している。
いっぽう、政府が押収した4つのコンテナは、北朝鮮ではなく第3国で、パナマ船籍の運搬船「MSCラチェレ」号(9万トン級)に船積みされ、輸出入関連書類には送り手と受け手いずれも第3国名義の貿易会社が記されるなど、緻密に「貨物ロンダリング」が行なわれた状態だったという。
別の当局者は、「同貨物船は、韓国の釜山新港をはじめ全世界の港へコンテナを運搬する。追跡を避けるために、運搬コンテナが多い船舶を選んだようだ」と分析した。押収当時、MSCラチェレ号には7000〜8000の大小のコンテナが積載されていたという。
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