2009年9月30日
瀬戸弘幸さん人生最大の宿題遺棄事件にワールドワイドウェブが挑む (その12)

瀬戸弘幸さん達、今度はリチャード・コシミズさんと揉めているようですね。

セマウル問題を取り上げ始めた時に、コシミズさんのところらしき掲示板にウチの記事の要約が貼られてるのを見て、コシミズさんたちの路線とは違うんだよなぁと微妙な気持ちになったのも確かなので、肩入れする気は更々ないですが、みなし公人である瀬戸弘幸さんには少し言っておきたい事があるので触れておきます。

地裁の判事が創価学会から金品をもらって創価有利な裁判進行をしたに違いないからと、訴追請求までしたのは他でもない瀬戸弘幸さん達だったはずです。

『証拠もなく、カルト宗教団体からお金をもらっていると決めつけてクビにしろと具体的処分まで求める』という暴挙に出た上に、虚偽告訴の類にならないかと私が聞いたら『表現の自由だ』と突っぱねたのも、瀬戸弘幸さんです。

「犯歴報道被害者の会」という立派なお名前の会の主催者である瀬戸弘幸さんの倫理観はその程度のものですから、他の方が西村修平さんの活動資金が不透明だから『統一教会からお金をもらっているんじゃないの?』と口先で言ったくらいで目くじら立てて『堪忍袋の緒が切れた』と言う資格などないでしょう。

西村修平さんも瀬戸弘幸さんも、政治活動資金が不透明すぎるからあらぬ誤解をいつまでも持たれるのではないですか? 怪しげなカルト宗教からお金をもらわなくても健全に活動できる事を示すためにも、収支報告をきちんとなさっては如何でしょうか。

自分たちは証拠もなく他人様がカルト宗教からワイロをもらっていると言っても『言論の自由だ』と言えば許されると主張したんですから、コシミズさんに『統一協会から金をもらってる証拠を出せ』としか言えないなら世間にバカにされます。

自分たちの資金の収支状況を進んで全公開して、『アヤシイ宗教などから金をもらわなくても困ってないぞ!』とカッコイイ啖呵を切る位でないとお話になりませんよ。

何しろ、瀬戸弘幸さんは「犯罪報道被害者の会」の主催者ですから、世間一般の人々よりは高い倫理観を持ち合わせていることが期待されます。世間に対して恥ずかしくない振る舞いをなさるよう期待しております。

脱線し過ぎましたね。ボチボチと福島県立図書館で拾ってきた情報を交えたお話に入って行きたいと思います。

まず、福島行きのきっかけになった「徐才喜冤罪事件」の元記事。図書館に到着してすぐに閲覧させて戴きました。

「政経東北」という月刊誌の昭和53年6~9月号に掲載されたもので、すぐ見つけることができました。瀬戸弘幸さんは28歳の頃と自己申告していたのですが、25歳の頃の執筆ですね。

瀬戸弘幸さんは、ヤクザ者との刃傷沙汰を起こして9ヶ月間拘留されている間に、徐才喜さんが(殺人罪について)無罪を勝ち取って出所した事、那須さんの冤罪事件などのニュースを聞いて心強く思ったとブログに書いています。

この記事に取り組んだのが昭和53年の正月頃からのようですから、逮捕拘留されたのは、昭和52年の3月以前という推測が成り立ちます。ここまでは良いですね。

この徐才喜さんという方が疑われた原因であるという、福島市太田町婦人殺害事件というのが発生したのが昭和51年10月20日です。瀬戸弘幸さんが刃傷沙汰を起こした時期とかなり近いですね。恐らく半年の開きはありません。

図書館で複写を取らせて戴くことが出来ましたので、「徐才喜冤罪事件」の記事を公開します。

徐才喜冤罪事件-1回目
徐才喜冤罪事件-2回目
徐才喜冤罪事件-最終回

迫真のルポですね。流石はジャーナリストデビュー作。よく調べて書いています。 ・・・と申し上げたいところですが、実はそうではありません。

この記事にざっと目を通し終えた私は、すかさず記事の裏を取り始めました。まず、「福島市太田町婦人殺人事件」の概要を知るために、地元紙の記事を読むことにしました。

福島県の有名な新聞は、「福島民報」と「福島民友」があります。昭和52年の新聞を図書館にリクエストすると、『福島民報はマイクロフィルムしかありませんが、福島民友なら紙のままで保管してありますよ。』との事。

時間がないので、「福島民友」を先に見せてもらいました。事件発生の翌日には大きく1面を飾り、遠藤文子さんについても詳しく書かれていました。それから10日間くらい、連続して記事が続いています。アタリが取れたので、「福島民報」のマイクロフィルムもざざっと目を通しました。

結論を言いますと、瀬戸弘幸さんが遠藤文子さんについて自分がルポしてきたみたいに書いていることは、ほとんど地方紙に書いてあった内容の引き写しです。新聞の引用だと書かなかっただけで、目新しいことなど何も書いていません。

新聞では遠藤文子さんを良い人だと書いているのを、勝手に悪人にしようと小細工している以外の部分は、ほぼ丸写しと言って差し支えありません。

次に、徐才喜さんが詐欺で逮捕された時に新聞社がこぞって書きたてたと主張している点が気になったので、逮捕されたとされる時期、起訴されたとされる時期など重点的に、しらみつぶしに新聞記事を読みました。1日も飛ばさずに紙面を読みましたが、それらしい人物の逮捕を報じる記事はありませんでした。

「徐才喜冤罪事件」のライターは、遠藤文子さんについて自分が調べてきたように書いた部分が新聞の引き写しであることを書かない。遠藤文子さんに金貸しの疑惑がある等のネガティブな記述だけ信憑性を上げようと必死に新聞紙名と日付を書く。徐才喜さんが逮捕された際、新聞がこぞって書きたてたと言いながら、どの新聞がいつどのように書いたかという点は全く引用しない。

こういう事をしていれば、ジャーナリストとしての信用はいつまでたっても醸成されないでしょうね。こういう姿勢で好き放題書くライターが放置されるなら、犯罪報道被害もバンバン出るでしょう。出版社は、持ち込まれた記事の裏くらいは取るべきだと思います。

私は限られた時間内で記事を読んでいますが、複数紙を読んでも全く詐欺で逮捕されて遠藤文子さん殺しを疑われた人が見当たらないという事は、徐才喜さんの存在自体がフカシであるという疑念はきわめて濃厚です。

通名報道云々と言い出す人も居られるでしょうが、「徐才喜冤罪事件」で日本人名とされている姓も見ましたし、姓名や人種にも拘らず、太田町界隈で詐欺容疑で逮捕された人ということで記事を一生懸命読んでもそれらしいものが見つけられませんでした。

更に、昭和52~54年版の福島市住宅地図を閲覧させてもらうことにしました。連載2回目にある地図と見比べてみると、確かに電気病院(※紛らわしい名前ですが、家電系リサイクルショップだと思います)は存在しますし、遠藤文子さんの家も新聞記事の住所をそのまま地図上で探すとこの位置です。しかし、玉川食堂は確認できません。地図上でこの辺りは空白です。

徐才喜さんを詐欺で訴えた人を仮名にしているのも巧妙ですね。民事なら、原告と被告の実名が分かっていれば、事件番号等がすぐに判明しますが仮名では確認が取れません。

いくら丹念に探しても徐才喜さんが実在したと思える情報に全く辿かない。渾身のルポの裏を取っているはずなのに不思議なことです。

これでは、私はフカシ記事を読むためだけに福島までノコノコ出てきたことになってしまいそうです。

それ以上に、実在しそうもない在日韓国人の徐才喜さんが冤罪で警察に吊し上げられていると瀬戸弘幸さんが匿名ルポまで書いた意図が実に不可解です。

新聞記事を始め色々な資料と「徐才喜冤罪事件」を見比べていた私は、やっぱりこんなもんだったか・・・ と予想通りな展開になった事については、それほど落胆しませんでした。

福島に来る前は、ある程度調べて『かなり濃厚な線でガセッっぽかったです』という結論を報告できる程度の目処がついたところで次の調べ物に移る予定でした。

ところが、そう捨てたものでもありませんでした。事前に予習をしておいたのが良かったのでしょう。「徐才喜冤罪事件」の裏を取っている最中に、新聞記事の中から瀬戸弘幸さんの過去の素性洗いの方で調べるつもりだった全く別件と本件が直接リンクしている記事に気づいたのでした。

瀬戸弘幸さんは、『冤罪がどのようにして生み出されるのか』をテーマにしたがっていましたが、私はこの事件を通じて『でっち上げ記事がどのようにして生み出されるのか』という勉強をさせて戴いたように思います。

次回に続く。



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