「厚木ホルモンじゃない」 高岡B級グルメ博で商標登録団体が指摘
2009年10月07日 08:20
「厚木シロコロ・ホルモン」(厚木シロコロ・ホルモン探検隊提供・写真下)と「高岡B級グルメ博」の会場で販売されていた商品(上)
高岡市中心商店街で3、4の両日に開かれた「高岡B級グルメ博2009」で、「厚木シロコロ・ホルモン」として販売された商品に対し、「厚木−」の商標と意匠を持つ「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」(隊長・中村昭夫さん)が6日までに、同グルメ博開催委員会(事務局・富山新聞社高岡支社内)に対し、「商標登録している名称を勝手に使われ、本物と違う商品が販売された」と指摘した。
同日、開催委事務局は「出店業者は『商標登録されているのは知らなかった。おわびしたい』と話している。業者は8月中旬に申し込んできたが、事務局としてその時点で業者が商標の使用許可を得ているのかどうか把握できなかった」と説明している。
「厚木シロコロ・ホルモン」は神奈川県厚木市の名物料理で、豚の大腸を割かずに生のまま網で焼く。同市のまちづくり関係者でつくる同探検隊が商標と意匠を管理し、同市内でシロコロ・ホルモンを使う業者にのみ商標使用を認めている。
中村さんによると、3日にグルメ博で「厚木−」として販売された商品を買った人から「本物とは違う」と連絡があり、商品の写真などを基に確認。中村さんは「会場で販売された『厚木−』名の商品は、割かれた内臓が鉄板で調理されており、調理法が大きく異なっている。3、4の両日、商標使用を認めている団体や業者の出店はなかった」と指摘し、3日のうちに開催委事務局に連絡した。案内の看板などにも「厚木−」と記してあり、中村さんは「『厚木−』は商品名が許可なく使われた」と話している。同探検隊ホームページにも、複数の購入者から違いを指摘するメッセージが寄せられたという。
同グルメ博は高岡開町400年記念として、高岡市、金沢市、北國・富山新聞社などでつくる開催委が主催。開催委事務局は「出店業者は神奈川県大和市の業者で、厚木シロコロ・ホルモン探検隊の指摘を受けて業者に問い合わせたところ、6日に『商標登録されているのは知らなかった。迷惑を掛けたのであれば、探検隊におわびしたい』と答えた。今後、こうした問題にどう対処するか検討し、B級ご当地グルメの発展に努力していきたい」としている。
高岡市は「県外の来場客らから『厚木シロコロ・ホルモンの見た目が本物と違う』と指摘する電子メールが2通寄せられた。市は業者の選定にかかわっておらず、選定した事務局に事実関係を調べるよう求めた」と話している。
B級ご当地グルメの商標などを持つ団体でつくる「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」(通称・愛Bリーグ、事務局・青森県)の俵慎一事務局長によると、全国でB級ご当地グルメの人気が高まり、各地で同リーグに加盟していない業者が販売するケースが増えている。今年、長野県で開かれた食のイベントでも、商標権の使用を認められていない業者が「厚木−」として販売していたという。
俵事務局長は「同グルメ博にはリーグ加盟の団体も出店していたが、主催者側には料理で地域を盛り上げるという各団体の思いを理解してほしい」と話している。
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