例えば「助命しなくてもよい」例外を条約化すると、それを拡大解釈することにより投降兵を保護するという条文の目的が薄れてしまう可能性がありますね。
便衣兵の処刑について即決処刑を条約化すると、拡大解釈による即決処刑が多発する可能性があるので、これを条約化することは適当ではないかもしれません。然しながら、「裁判が義務」という条約を作成することについては、なんら問題はありません。現実にハーグ法規では「間諜の処罰には裁判が義務」という条約が作成されています。
事実関係として、「便衣兵処罰に裁判が義務」という条約が作成されなかったということは、各国の同意が得られていなかったと考えられます。これは各国の国家実行が証明しているでしょう。
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