台風18号の影響で高波が押し寄せる静岡市清水区の海岸=7日午後 台風18号、本州縦断へ 「非常に危険なコース」非常に強い台風18号は7日、四国の南海上を北上、九州や四国、近畿の一部を風速25メートル以上の暴風域に巻き込んだ。過去10年で最強クラスの勢力を維持したまま、8日に紀伊半島から東海地方付近に達し2年ぶりに上陸、9日にかけ本州を縦断する見込みとなった。 気象庁予報課の村中明主任予報官は記者会見し「全国的に警戒が必要な、非常に危険なコースと予想される」と指摘、暴風や大雨、高潮などに厳重な警戒を呼び掛けた。 7日の空の便は九州や関西地方発着を中心に240便以上が欠航、8日も260便以上が欠航する。和歌山県で住民が自主避難したり、青森のリンゴ農家が予定より早く収穫したりするなど各地で対応に追われた。政府は、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。 台風は7日午後11時現在、和歌山県・潮岬の南南西約110キロを時速約45キロで北東に進んだ。中心気圧は945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心の南東側260キロ以内と北西側220キロ以内が暴風域。8日午後9時には、岩手県花巻市付近を中心とする半径160キロの円内に達する見込み。 台風本体の雨雲と本州南岸に停滞する秋雨前線により、西日本と東日本は8日にかけ、北日本は9日にかけ、1時間に50~70ミリ、局地的には80ミリの猛烈な雨が降る見込み。8日深夜までの24時間予想雨量は、いずれも多い所で東北350ミリ、東海と近畿南部300ミリなど。 高潮は伊勢湾、三河湾などのほか、台風の位置によって日本海側でも警報基準を超える可能性がある。名古屋港では3・5メートルの見込みで、5千人以上の死者・行方不明者が出た伊勢湾台風(1959年)で観測された最大潮位(3・89メートル)にほぼ匹敵する高潮となる恐れがあるという。 7日、沖縄県の南大東島で最大瞬間風速57・6メートル、長崎県の雲仙岳で43・3メートル、高知県の室戸岬で43・2メートル、和歌山県の潮岬で36・5メートルを観測した。 台風18号の予想ルートと似た進路をたどったものに1990年9月の台風19号がある。19号では大雨などで死者・行方不明44人の被害が出た。 【共同通信】
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