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【愛知】朝礼出ない…なんて無理 豊田で調査、時差通勤に「心の壁」2009年10月7日 エコ通勤の敵は“雰囲気”−。市街地を中心に大工場が点在する豊田市で、朝夕の交通渋滞をなくすための研究発表が同市内であり、「朝礼に出ないことに抵抗感がある」といった漠然とした理由が、時差通勤などを拡大する支障になっているとの指摘が出た。 豊田都市交通研究所の西堀泰英研究員が、トヨタ紡織猿投、藤岡両工場で働く約4000人のアンケートなどから分析した。 猿投工場の場合、通勤時間を個人が選ぶフレックス制度を導入しており、鉄道の駅間を通勤バスも1日40便運行している。だが8割が自動車で通勤し、会社への到着時刻も午前8時10分前後に集中。会社から5キロ以内に住む人の6割が車を利用していた。 ただアンケートでは、全体の約7割が公共交通機関を使ったり時差通勤をするエコ通勤を肯定。約5割が特に、時差出勤が受け入れやすいと回答した。 ではなぜ実行できないのか。西堀研究員は時差出勤しにくくするケースがある点を重視。「朝一のミーティングが設定されている場合、遅れてしまうことへの抵抗感がある。出張にマイカーを使う必要からやむを得ずという場合も」と指摘する。 周辺の渋滞解消のためには、数百台単位で対応する必要があるため「通勤に対する会社としての目標、方針が必要」と分析。トヨタ紡織では既に、公共交通機関と車の通勤比率を「3対7」にする目標を設定。今後は工場間バスの新設や、エコ通勤の日の設定なども検討しているという。 西堀研究員は「調査が、事業所で通勤対策に取り組むきっかけになった。継続的な対応が大切」と話している。 (渡辺陽太郎)
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