製造業派遣禁止の議論開始 経済界はコスト増を警戒
2009/10/07 21:02更新
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労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の職業安定分科会が7日開かれ、新政権が掲げる製造業派遣の原則禁止など規制強化をめぐる議論がスタートした。厚労省は年内に労働者派遣法改正案をまとめる。社会問題化した非正規社員の雇用の安定化が狙い。ただ、経済界は正社員化によるコスト増を警戒しているほか、「多様な働き方が制限され、逆に雇用機会が失われる」との懸念も強い。禁止の例外などで弾力的な制度にできるかが焦点となりそうだ。
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記事本文の続き 長妻昭厚労相は同日、「派遣労働者の雇用環境に大きな変化が生じている」などとして、派遣の在り方について議論するよう同審議会に諮問した。
今後は同分科会の労働力需給制度部会などでも議論し、年内にも結論を取りまとめ、来年の通常国会に労働者派遣法の改正案を提出する方針だ。
民主、社民、国民新党は連立与党は、(1)製造業派遣の原則禁止(2)契約期間の短い「日雇い派遣」の禁止(3)派遣会社に登録して仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止-で合意している。
焦点である生産ラインなど製造業への派遣は、小泉純一郎政権時代の構造改革の一環として、2004年の法改正で解禁された。しかし、昨秋以降の経済危機では、自動車や電機メーカーなどが相次いで、派遣を中心とした非正規社員を大幅に削減し、“派遣切り”として社会問題になった。新政権は、製造業派遣を構造改革による格差拡大の象徴と位置づけ、規制強化を打ち出した。
民主党では、経済界などに配慮し、製造業派遣に禁止の例外となる「専門職」を設ける方針。具体的には、図面などの設計や特殊な製造技術を持つ労働者を想定している。
ただ、この日の会合でも、経済界の代表から「雇用の悪化が製造業派遣の禁止に即つながるのか疑問を感じる」との意見が出るなど、反発は強い。
実際、規制強化の“副作用”がすでに出始めている。自動車や電機各社では、景気の底打ちで生産は回復傾向にあるが、コスト増への懸念から採用拡大には慎重なままだ。
稼働率上昇に対応した人員確保では、規制強化を念頭に派遣社員ではなく、直接雇用の期間従業員で対応しているが、採用増は限定的で、グループからの応援で対応する企業も目立つ。「規制強化で雇用が硬直化すると、景気回復局面でも採用増に波及しなくなる」(エコノミスト)との指摘は多い。
人材派遣業界も、「専門職を設けても、登録派遣を禁止すれば、大量の雇用が失われる」(大手)と警告する。
このため、経済界としては今後の議論で「専門職」の適用範囲をできるだけ広くするよう求めていく考えだ。
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