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2007年のCO2排出量、中国が米国を抜き世界最大に
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【上海=河崎真澄】中国の二酸化炭素(CO2)排出量が2007年時点で米国を追い抜いて世界最大になっていたことが、国際エネルギー機関(IEA)が6日、バンコクで公表した09年版「温室効果ガスの排出統計」で確認された。
中国はこれまで「先進国の責任」を強調し、地球規模の温室効果ガス削減に消極的だった。だが、不名誉な「世界首位」に躍り出たことで、中国は一段と厳しい国際社会の監視にさらされ、経済成長と排出削減の両立という難しいかじ取りを迫られることになる。
IEA統計によると、07年に中国のCO2排出量は1990年に比べて約3倍の60億7100万トンと、世界最大だった米国の57億6900万トンを上回った。
世界全体の排出のうち中国は約21%、米国は約20%を占めた。IEAでは30年には中国の排出が世界の30%近くに達し、米国の13%前後を大きく上回ると予測する。中国の突出した増加幅の背景として、IEAでは石炭火力など多量のCO2を排出する発電所の建設ペースをあげている。
07年の排出上位10カ国は両国に続いて、ロシア、インド、日本、ドイツ、カナダ、英国、韓国、イランの順。同10カ国で世界の排出の約3分の2を占める。
胡錦濤国家主席が先月ニューヨークで行われた国連気候変動首脳会合の演説で「温室効果ガスの大幅な削減を目指す」と宣言するなど、中国も排出削減の重要性は認識している。
中国環境保護省は胡主席の演説を受け、11年からの第12次5カ年計画への「温室効果ガス排出権取引制度」の導入なども検討し始めた。
同時に、原子力や風力など環境対応型の発電能力増強やエネルギー効率の向上に向け、日本をはじめとする環境先進国との一層の協力が欠かせなくなった。
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