[4]. S+V+O+O の形。

 [S]は主語。
 [V]は述語動詞。
 [O]は2つありますが、[V]のすぐつぎの[O]が「間接目的語」。
 2つめの[O]が「直接目的語」。

 →最初の[O]つまり目的語は『間接目的語』といい、『〜に』の意味をもつ。
  あとの[O]つまり目的語は『直接目的語』といい、『〜を』の意味を持つ。

 →この文型を使うのは『〜に』と『〜を』がある文、つまり『〜に〜を〜する』という意味の文を作るときに
  この文型を使うのです。ある意味、それ以外の文には使いません。

 @ I gave her a present. 「私は彼女にプレゼントをあげた」

 →この文は[I]が主語、[her]が間接目的語で「〜に」の意味、[a present]が直接目的語で「〜を」の
  意味を持ちます。

 A I made my son a desk. 「私は息子に机を作ってやった」

 →この文は、[I]が主語、[made]が述語動詞、[my son]が間接目的語で「〜に」の意味、[a desk]が
  直接目的語で「〜を」意味を持ちます。

  長文の中でこの文型を見ぬく場合は、「動詞のあとに名詞が連続してある」ということをもとにして
  見ぬきます。
   つまり、[動詞+名詞+名詞]の形が出てきた場合は、ほぼ間違い無くこの文型です。注意するの
  は、最初の目的語が「〜に」で、あとの目的語が「〜を」の意味であること。
   この意味を逆に取ると全然違う意味になりますので本当に注意してください。
   また、「〜に」とか「〜を」という意味は、目的語(名詞)自信が持っている意味ではないことにも
  注意してください。「〜に」や「〜を」という意味を名詞が持つわけが無く、これは[動詞]が持ってい
  る意味です。つまり、あとに名詞を2つつづけて「〜に」「〜を」の意味を持つことのできる動詞が
  この文型をとるということです。そういう性質をもつ動詞しかこの文型になりませんから、その性質を
  もたない動詞ではあとに名詞を2つつづけられないということです。

  「〜に」の部分は、「〜に〜する」の意味の「〜に」であるため、だいたい「人」が来ます。
  何か「もの」に「〜する」という場合もありますが、「人」が2つの目的語のどちらかに入る場合は
  だいたい最初の目的語の位置に入ることを知っておくと便利です。これは「コツ」です。
   「人に〜する」という文章は多いのです。
   「人を〜する」という文章もありますが、英語の試験では「人に〜する」の形の方が多く出てきます。

 

 この文型は、2つの目的語を入れかえることができます。
 しかし、そのときは前置詞を使って「〜に」の意味を表わさなければなりません。
 「〜に」の部分が「〜を」よりうしろにくるわけですから、そのときただ名詞の順番を並べ替えただけで
 は、並べ替える前の状態と区別がつきません。ですから、並べ替えたときは、「〜に」をうしろにもって
 くるときに「前置詞」を使ってつなげるのです。

 @ I gave her a present. 「私は彼女にプレゼントをあげた」       

  この文の2つの目的語の位置を入れ替えたときどのようになるのか?
  [a present]を前にもっていくとどうなるか?
  つまり、[gave]の目的語を[a present]にするということです。
  

   I gave a present to her.

   このように変わります。名詞の位置を入れ替えただけでこのように変わるのです。
   この形は、すでに[SVOO]の文型ではありません。なぜなら、前置詞があるからその前で文が
  一度切れるのです。英文中の前置詞の前で文は一度切れます。意味的に切れるのです。

   前置詞はすべて「附属部分」と考えます。英語では「前置詞で作られる前置詞句」は附属部分と
  考えると解釈しやすくなります。
   この英文では[to]の前までの形で文型が決まるのです。
   [to her]が附属部分なのでこれを無視して[ I gave a present ]が文型を決める核になのです。

   この場合は、[ I gave a present ]で1つの文になっています。つまり[SVO]の文型です。
  例文は、その[SVO]の文に前置詞を使った[ to her ]がくっついただけです。
  [SVO]にかぎらず、動詞のすぐあとの名詞は[目的語]であり、その目的語の意味としては、
  「〜を」というのが普通ですから、この文でも目的語の[ a present ]は「プレゼントを」という意味で
  考えます。

  ・ I gave a present ――― to her.
  「私はプレゼントをあげた」  「彼女に」

  「〜に」という意味は、通常このように前置詞を使って表わします。[SVOO]のように目的語を2つ
  連続で並べるときだけが例外です。それ以外は前置詞で「〜に」を表わします。
  「〜に」という意味を持つ前置詞としては[to]か[for]が考えられます。この違いは大まかに言って
  次の通りです。

[to]…「動作の継続をあらわす」前置詞です。そして、「その動作が相手のところまでたどりつく」
    というイメージを[to]自身が持っています。つまり、このイメージを持つ動作はすべて[to]
    であらわせるということです。
    上の例文で言えば、[ I gave a present to her. ]ですが、[ I gave a present. ]で「私は
    プレゼントをあげた」という意味を表わします。
    そして、「誰に?」という意味を表わしたいときに「〜に」の意味を表わせる前置詞を使う
    のですが、このとき、[gave]という動作を考えて決めるのです。
    「私が〜にプレゼントをあげた」という動作は、プレゼントがわたされた相手まで動作が
    つづいて、その相手に「動作が届いている」と考えられます。「動作が届いていなければ」
    プレゼントをあげたということはできません。つまり、「動作が続いて、その相手まで到着
    した」というイメージがあるので、そのイメージを持つ前置詞を使って「彼女に」の「〜に」
    をあらわします。その前置詞が[to]なのです。だから[ to her ]。

    次に解説する[for]との違いに注意しましょう。

[for]…「動作の向かう方向を表わす前置詞」です。[to]とは違って、その動作は「相手に届い
     ていない」のです。「その相手に向かって何かをする」という意味をもつだけです。
    [to]のときの例文のように[ I gave a present (  ) her. ]のカッコに[ for ]が入ら
    ないか考えてみましょう。
    この場合、考えるのは「動作」です。「動作」というのはつまり「動詞」のこと。この場合は
    [gave]です。[gave]とは[give]の過去形ですが、意味は「〜を与えた」です。例文の
    場合、「プレゼントを与えた」という意味ですから、この動作はすでに「相手に対して到着
    しています」。「与えた」という行為が相手に届いていなければプレゼントはわたっていな
    いのですから、「プレゼントをあげた」ともいえないのです。だから、「動作が相手に届く」
    ことを表わす[to]を使って、「〜に」の意味を表わすのです。[for]では、この意味を
    表わすことができないのです。

     [for]を使う例を挙げると、「プレゼントをあげる相手に、まだあげていないとき」に
    使うことができるということです。[for]の意味はだいたい「〜に対して」というイメージ
    であるから、日本語でそのように考えられるときは[for]が使えるということを覚えておき    ましょう。

    「私は、彼女にあげるプレゼントを買った」という意味の英文の場合は、[for]が使える
    のです。まず、主語が「私は」で、述語動詞が「買った」ですから、[ I bought 〜 ]という
    文だと考えられます。そして、動詞の目的語、つまり「〜を」の部分の名詞が「プレゼント」
    ですから[bought]のすぐあとに[ a present ]をもってきます。残りは「彼女にあげる」
    ですが、これは「プレゼント」のことを説明している部分ですから、前置詞を使って簡単に    表わすのが良いでしょう。

     前置詞を使って、「彼女にあげる」という意味を表わす場合、一番簡単にするには
    言葉をかえて「彼女に対する(プレゼント)」としてしまうのです。日本語としては意味が
    通じないので、英作文のときは自分なりに言葉を変えて良いのです。
     「彼女にあげるプレゼント」→「彼女に対するプレゼント」

     このように変化させて考えて英文を作ります。
    「彼女に対するプレゼント」を英語で表すとき、前置詞を使うと次のような語順になること
    が想定できます。

    [ プレゼント ][ 前置詞 ][ 彼女 ]

    [present]と[her]はわかるでしょうが、前置詞を何にすれば良いか考えてください。
    ココで考えなければならないのは、「プレゼントを説明する部分の前置詞で、それが
    彼女に対するものである」ということ。この条件に適する前置詞を選びます。
    これを考えると「〜に対する」という意味の前置詞がピッタリだと判断できるでしょう。

    さらに、「〜に対する」という意味だけではなく、「まだそのプレゼントはわたされていな
    い」ということに気をつけます。最適な前置詞は、「〜に向かうイメージをもつ前置詞」
    ですから[for]だとわかるのです。このイメージに合う前置詞は[for]なのです。

    [for]は「〜に対する」という意味を持っていますから、意味で判断しても良いでしょう。
    訳すときは「〜に」と訳せば良いでしょう。

    ☆買った時点ではまだ彼女にプレゼントはわたされていない。
    ☆彼女に向かうイメージの前置詞[for]を使う。

    「私は彼女にあげるプレゼントを買った」という日本語は次のように表わされます。

   ● I bought a present for her. ――― これも[SVO]の分です。[for her]は附属部分。

[SVOO]の文型をとる動詞で、目的語を入れ替えたときに[to]か[for]の前置詞を使うもの
 の代表例。

 [to]を使う動詞 … [give]与える、[hand]わたす、[offer]提供する、[lend]貸す、
             [bring]持ってくる、[send]送る、[show]示す、[teach]教える、
             [tell]言う、[write]手紙を書く、[promise]約束する、

         これらの動詞は次のような形をとることができます。

         ☆ [動詞] + 目的語(〜を) + [to] 〜 

         →[to 〜 ]の部分が「〜に」の意味です。

 [for]を使う動詞 … [build]建てる、[make]作る、[cook]料理する、[get]手に入れる、
              [buy]買う、[order]注文する、[choose]選ぶ、[find]見つける、

         ☆ [動詞] + 目的語(〜を) + [for] 〜

         →[for 〜 ]の部分は「〜に対して」「〜に」「〜のために」の意味です。

  

p://www.aiolos-imgboard.com/silence/source/aiolos1084.jpg

  

 


[5]. S+V+O+C の形。

 [S]が主語。
 [V]が述語動詞。
 [O]が目的語。
 [C]が補語。

 →この文は、前の[SVOO]の文と紛らわしいですが、最後の[C]がポイントなので、その「補語」を
  理解すれば簡単に分かるようになります。

 →[補語]とは、この文型の場合、次のように説明されます。
  
『make,findなどの他動詞の目的語のあとに置かれて、その目的語がどのような状態にあるのかを
  示す[名詞]や[形容詞]』

 →ここで重要なのは「目的語の状態がどうであるかを示す語が補語」だということです。
  次の例文を見てみましょう。

 ● I made my son a doctor. 「私は、息子を医者にした。」

  この文は[SVOC]の文。まず、[made]がポイントです。[made]だから[make]がこの文型を
 とれるということを覚えておきましょう。いつでもこの文型ではありません。この文型をとることもでき
 るということです。
  [make]は代表的な単語で他動詞ですから、ただ単に目的語を1つとって[ I made a desk. ]として
 「私は机を作った」という文を作ることはできます。この文はもちろん[SVO]です。[SVOC]しかつく
 らないと勘違いしないように注意しまょう。

 ● I made my son a doctor. 

  [ my son ]は他動詞[ made ]の目的語。
  [ a doctor ]が補語です。

  この文型の場合、[目的語]と[補語]のあいだに次のような関係が成り立ちます。

 [目的語]is[補語] つまり [O]is[C]ということ。

 これは、『補語が目的語の状態を表わしている』ということです。

 「目的語がどんな状態なのかを補語が表わしている」ということだから、この関係を読み取れば、この
 文型は見ぬけるのです。
 [SVOO]と見分けるにはこの性質を利用します。

 ● I thought the girl very attractive. 「私はその女の子がとても魅力的だと思った。」

  この文も[SVOC]である。目的語と補語の関係を見てみましょう。[ the girl ]と[ very attractive ]
 の関係はどうなっているのか。
  やはり、[the girl is very attractive ]と考えるのが自然です。
  つまり、[ O is C ]の関係が成立しているから、このれは[SVOC]の文だと判断できるのです。

  なぜ、この文型を勉強しなければならないのかというと、まず1つは、5文型の最後の1つの型だから。
 もう1つは、長文の中で、[SVOO]と間違えないようにするためです。訳すときに、[SVOO}のように
 「〜に〜を」を使って訳してしまうと上の例文では「私はその女の子にとても魅力的を思った」となって
 しまい、全然意味がわからない文になってしまうのです。

  SVOC の文型をとる動詞は次のようなものがあります。

 @ make 「〜を〜にする。〜を〜に作り上げる」
   elect 「〜を〜に選ぶ」
   choose 「〜を〜に選ぶ」
   appoint 「〜を〜に任命する」
   keep 「〜を〜のままにしておく」
   leave 「〜を〜のままにしておく」

 A call 「〜を〜と呼ぶ」
   name 「〜を〜と名づける」
   baptize 「〜を〜と命名する」

 B think 「〜を〜と思う」
   believe,suppose,consider これら3つとも「〜を〜と思う」
   feel 「〜を〜と感じる」
   find 「〜が〜だとわかる」

 C paint 「〜を〜の色にぬる」
   dye 「〜を〜に染める」
   cut 「〜を〜に切る」
   wash 「〜を洗って〜にする」
   bake 「〜を焼いて〜の状態にする」
   burn 「〜をこがして〜の状態にする」
   boil 「〜をゆでて〜の状態にする」

 

 


 これで中学英語の復習[5文型]を終わりにします。
  高校生・高卒生のみなさんはここに書いてあることをマスターしたら、『5文型の基礎』は万全である
 といえます。
  中学生の皆さんが読んだ場合は、授業に直接効果を発揮することでしょう。

  5文型は英語学習のすべての基礎です。これがわからないと関係代名詞も分詞も仮定法も何も
 理解することができません。おそらく肯定文も否定文も疑問文も「なぜそのように書くのか?」が
 わからないでしょう。[ This is a pen. ]という肯定文ですら文法的に説明&理解できないと思います。
  ここで解説した5文型はすべての基礎です。これを知らないで英語を理解することは絶対にでき
 ません。なぜなら、英語を読める人は誰でもこのことをいつでも考えながら読んでいるからです。
 理由はわかりませんが、この5文型を理解していない高校生は意外と多いのです。
  本来は中学の1年生か2年生で習うべきことだと思います。そこで英語の先生がしっかり教えて
 くれれば、5文型などを高校生の段階で勉強しなおすことなど必要無いわけです。

  ココまでの解説を読んでくださった方は『5文型』をマスターしたといえます。
  皆さんは、すでに英語を理解する土台ができあがっていますから、「関係代名詞」や「仮定法」、
 「比較」「分詞・分詞構文」「能動態と受動態」「過去分詞の特殊用法」をはじめとする文法事項、
 そして、長い文章から短い文まで、いろいろな英文を理解できる状態になっています。
  今から英語を勉強すれば実力は光速のスピードでどんどん上がっていくことでしょう。

 

・・・中学校の英語の先生の皆様へ・・・

  中学校の英語の先生がこれをお読みでしたら、学校の授業でここに書いてあるような「5文型の基礎」
 ぐらいはしっかり教えてあげてください。
  「5文型」を理解してはじめて英語の勉強はスタートします。
  ココに書いてあることを知らないのに英語を勉強することは、何の装備も無くカジュアルな普段着で
 エベレスト登頂に挑むようなものです。
  「5文型」を理解しなければ英語の実力が伸びるはずはありませんし、理解すれば英語の実力はどこ
 までも伸び続けていくでしょう。
  高校英語を理解するにはどうしても必要な知識です。高校に入る前の段階、中学の段階で[5文型]
 は理解しておくべきことだと思います。