5文型の復習 |
[英語の文型]
ココでは中学で習う「5文型」について説明します。
高校生・高卒生の皆さんは中学時代の復習を、そして、中学生の皆さんは中学1,2年生の復習を
してください。
英語が難しいと言われる超難関大学である早稲田・慶應・上智であっても、この5文型を知ってるか
どうかを試す問題は頻繁に出てきます。
英語の勉強の第1歩目であるこの「文型」は、英語力の土台になります。
5文型に関しては、できるだけ完璧にマスターしておく必要があるでしょう。
これまでは難関大スーパー英語や英語基礎力完成コースの第1回目のテキストの「補足テキスト」
として「5文型」の解説をお送りしていましたが、ホームページで公開したほうが受講する前から勉強
できるので時間的な無駄が省けると判断しました。
中学英語の復習ぐらいは無料で教えてもかまわないと思いましたので、この5文型以外の項目でも
中学英語の範囲内のことであれば公開解説・補講に加える予定です。
早慶進学アカデミーの英語テキストは、「高校英語の基礎」から「難関大学を突破する高度な知識」、
さらに早慶進学アカデミーでしか教えない「このように覚えておいた方が試験に役立つというコツ」や
「光速で正解を導き出すテクニックと技術」を教えるのがメインです。
それではスタートです。
●5文型について●
どんなに複雑な長い文でも、いわゆる「5文型」という5つの文型のどれかに属します。長い文型を
正確に把握し解釈するには、主語と述語(動詞)、目的語、補語、附属部分・・・を正しく判別しなければ
なりません。
英語を読む人は、誰でも皆「5文型」というものを常に頭に置きながら英文を見ています。
[1]. S+Vの形
英語が嫌いな人は[S]とか[V]とかの文字に拒絶反応を起こすことがあります。
この文字によって5文型を説明している参考書が多いので、この文字に拒絶反応があると、文型の
知識を得られないことがあるため、結局は英語が読めないままになってしまいます。
[S]は『主語』のこと。
[V]は『述語動詞』のこと。
それだけです。
『主語』という意味の[subject]の頭文字で[S]。
『動詞』という意味の[verb]の頭文字で[V]。
[S+V]とは、[主語と述語動詞]が基本構成である文のこと。
基本は「主語と動詞」の2つで構成され、長い文の場合は動詞につながる目的語などは無くて、前置詞
や接続詞で構成される「附属部分」がつながるだけの文型。
@ He sings. 『彼は歌う。』
[He]が主語。[sings]が「述語動詞」。
品詞で言えば[He]が「名詞」。[sings]が「動詞」。
通常、「主語」というものは「名詞」です。
→このように、主語(He)と述語動詞(sings)が組み合わさった文は、英語で[S+V]の形に分類される。
→このとき、動詞は「自動詞」というものがほとんど。
「自動詞」というのは、「自分で動作する動詞」のことで、「主語が自分で動作する」ことを表わします。
この例文の場合は、「彼」という主語が自分で「歌う」のです。この形で動詞が使われるときにその
動詞を「自動詞」といいます。
→この逆に「何かを〜する」という意味を潜在的に持っている動詞を「他動詞」というのです。
このとき他動詞が意味するのは「〜を・・・する」か「〜に・・・する」という意味で、このときの「〜を」
の「〜」、「〜に」の「〜」を文法用語で「目的語」と呼びます。
通常、「〜」の部分に入るものは「モノの名前」つまり「名詞」です。それゆえ、目的語は普通は「名詞」
であるわけです。動詞や形容詞や副詞が単独で目的語になることはありません。
→英語が苦手な人の多くは自動詞と他動詞の区別がつきません。そのため、自動詞なのに他動詞で
解釈して和訳を間違うことがあります。英語力を上達させるには「自動詞」と「他動詞」の判別能力を
身につけることが大事です。
→英語の動詞がやっかいなのは、この自動詞と他動詞の両方の性質をもつものが多いことです。
しかし、「自動詞」と「他動詞」の両方で使えるとはいえ、1つの文の中で一度に両方の性質を持つこ
とはありません。必ずどちらかの性質で使われています。だから、英文で動詞を見たときに、この動
詞が「自動詞なのか他動詞なのか」を常に気をつけて読まなければいけないわけです。
→自動詞と他動詞の判別の基本は、その動詞のすぐあとに「目的語があるかどうか」で判断すること
です。これだけでほとんどすべて判別できます。
→ココでの[SV]の文型というのは[主語と動詞]だけが基本となる文のことだから「目的語」は無い
のです。つまり、この文型の場合は動詞は「目的語を持たない動詞」=「自動詞」と決まっています。
A He sings well. 「彼は上手に歌う。」
上の例文は@に[well]がついたものです。[well]は[副詞]か[形容詞]で使われ、この例文の場
合は[sings]という動詞にかかっているので[副詞]です。ちなみに[形容詞]というのは[名詞]に
かかるもので、動詞には絶対につながりません。
文法的に「動詞につながる品詞」は[副詞]です。
→この例文も[S+V]の形です。つまり[主語と動詞]が基本となる文です。[well]は目的語ではあり
ません。[well を歌う]などという意味ではなくて、[well]が副詞で「上手に」という意味で[sings]に
つながっているのです。
[sings]のつぎに名詞があれば、それは[sings]という動詞の目的語であると考えられます。
目的語があればその[sings]は他動詞です。
例文の場合は[well]という副詞しかないので[sings]は自動詞ということです。
→あとで学習しますが、[He sings a song.]という文の場合、[a
song]が名詞で[sings]という動詞
のすぐあとにくっついているので、[a song]が目的語だとわかります。この文型は[主語+動詞+
目的語]であり、いわゆる[SVO]というものです。
→ちなみに上の@Aの例文には[He
sings]と[sings]の[sing]に[s]がついています。
これも中学英語の復習になりますが、この[s]は「三単現の
S 」というものです。
主語が「三人称で単数」で、動詞を『現在形』で使うとき、その動詞に[s]をつける法則があります。
このときの[s]を「三単現の S 」といいます。
ですから、動詞に[s]がついていれば、それは「三単現の S 」であり、その動詞は「現在形」で、
なおかつ主語は「三人称で単数である」ということが瞬間的に判断できます。
過去形に[s]がつくことはありません。だから動詞の最後が[s]であれば現在形だとすぐに決めら
れるのです。
[2]. S+V+C の形。
[S]は主語。
[V]は述語動詞。
[C]は補語。
動詞の次に「補語」が来るときがあります。この文型も5文型の1つで[SVC]という記号で表わされ
ます。
@ This is an apple. 「これはりんごです。」
この文が[SVC]の文の例です。
英語を知らない子供でも『 This is a pen !!! 』と叫ぶことがあります。
この文も[SVC]です。
[SVC]の文は意外と多く耳にするものです。
例文のように、[ A is
B ]の形が[SVC]の基本です。[主語]が何であるか、またはどんな状態
にあるかを表わすものが[補語]というものです。
→[be−動詞]が使われる文は、ほとんどの場合[SVC]の形です。[be−動詞]が「存在する」の
意味で使われた場合、補語が無くても文が成立します。しかし、「存在する」という意味の場合でも
「どこに」という場所を説明するものがつづくので、それを補語と考えます。
→主語が「何か」を表す形は、ほとんど[be―動詞]で表わされます。例文の場合、[This]というものが
何かを表わすのが[an apple]であり、これが補語なのです。
→この文型で使う[be−動詞]は「Aは〜です」の意味を持つので、[主語]=[補語]という関係が
成立します。
→「主語がどんな状態かを表わす形」は次のような動詞を使います。
[ look
〜 ] 「〜のように見える」
* He looked sad. 「彼は悲しそうに見えた」
[ become 〜 ] 「〜になる」
* She became a stewardess. 「彼女はスチュワーデスになった」
[ smell
〜 ] 「〜のにおいがする」
* The flower smelled sweet. 「その花は甘い香りがした」
[ taste 〜 ] 「〜の味がする」
* The dish tastes good. 「その料理はおいしい」
[ seem 〜 ] 「〜に見える」
* She seemed angry with me. 「彼女は私のことを怒っているように見えた」
[ turn 〜 ] 「〜になる」
* The leaves turned yellow in autumn. 「葉は秋に黄色くなった」
[ feel 〜 ] 「〜の感じがする」
* The cloth felt soft. 「その布は柔らかい感じがした」
[ remain 〜 ] 「〜である」
* He remained silent. 「彼は黙っていた」
[ sound 〜 ] 「〜に聞こえる」
* It sounds strange to me. 「それは私には奇妙に聞こえる」
→上の単語が[SVC]で使われる動詞の代表です。この形で使う動詞は数が多くありません。
→[SVC]で使う動詞は、[be―動詞]と上に書いた動詞を覚えておきましょう。
[3]. S+V+O の形。
[S]は主語。
[V]は述語動詞。
[O]は目的語。
5文型の中に「動詞が目的語をもつ型」は3つあります。
その中でもっとも基本である「目的語が1つだけの単純な型」がこの[SVO]です。
目的語が1つだけの型はほかに[SVOC]というものがありますが、これはあとで説明します。
[O]とは、[Object]の頭文字。英語で「目的語」は[object]です。
[subject]が「名詞」で[S]であるのと似ています。
@ I got the book. 「私はその本を手に入れた」
[got]は[get]の過去形です。[get]は[get-got-got]か[get-got-gotten]と変化します。
[get]の過去分詞は[got]か[gotten]を使います。どちらでもかまいません。
→この文は[I]が主語、[got]が動詞、[the
book]が目的語です。
→『目的語』とは、『他動詞が意味的に自動的に持つもの』で、他動詞の『〜を』や『〜に』の意味に
相当する『〜』の部分のことを言います。
他動詞はその意味の中に『〜を』や『〜に』という意味をもともと含んでいます。
『〜』の部分は通常は『名詞』です。『本を』とか『家を』とか『山を』とか『猫を』とか『コーヒーを』など
通常は『〜を』の『〜』に入るものは名詞なのです。
動詞が『〜』の中に入ることはありえません。形容詞もありえません。
『黄色い花』というようなものは『〜』の部分に入りますが、この場合『黄色い』は形容詞です。
形容詞単独では『〜』の部分に入りませんが、名詞と合体して『名詞句』を構成すれば『黄色い花』
のようになり『〜』の中に入れることができます。
ですから、『〜』の中に入るのは、「名詞」や「名詞句(いくつかの品詞が合体して構成される名詞と
同じ性質をもつ語句のこと)」です。
→私は古い本を売った。
この文で説明すると、『古い本』という『名詞句』が『売った』という動詞の『目的語』であるわけです。
このように『本』だけが目的語なのではなく、その『本』につながる『古い』の部分も含めて『古い本』
全体で目的語になるわけです。このように名詞だけでなく、形容詞などが名詞につながって『目的語』
を作っているのがほとんどなので覚えておいてください。
→『目的語』とは他動詞の『〜を』や『〜に』の意味の『〜』の部分のことです。
→英語では目的語は『他動詞のすぐ右側に書いてある』ことが普通です。
→例文では、[got]のすぐ右側に[the
book]という目的語があります。
このように目的語は他動詞のすぐ右側に書いてあるのが普通です。
逆にいうと、『動詞の右側に名詞がくっついているのを見たら、その動詞は他動詞であり、その名詞
はその動詞の目的語である』という法則が成立します。
違うこともまれにありますが、この法則はほとんどの場合に通用しますので覚えておきましょう。
英語を読める人はこういうことを考えながら「目的語」とか「他動詞」を判断しています。
言いかえれば、この法則のようなことを知らないと英語は読めないと言えます。
「自動詞と他動詞の区別」、そして「他動詞の目的語をみわけること」などは英語の勉強の基本中の
基本です。これができなければ英語を読むことはできないはずです。なぜなら、英語を読める人は
誰もがいつでもこのことを意識して読んでいるからです。このことを考えないで英語を読むような人は
絶対にいません。
→ではこの例文が次のように変化したらどうなるでしょうか?正確に解釈できますか?
A I got the book at that bookstore. 『私はその本をあの本屋で手に入れた』
→この文は[I]が主語、[got]が動詞(述語動詞)、[the
book]が目的語です。
では、[at that bookstore]とは何か?これは「前置詞句」といわれるものです。
前置詞句は「文の附属部分になるもの」で、つまり「補足部分」です。
主語・述語動詞・目的語などのような文型を決定付けるものではなく、「〜で」とか「〜の中に」とか
文の中で「補足的な役割をする」のが前置詞句です。
→前置詞句は附属部分ですから「おまけ」と考えます。つまりいくら長い文でも「前置詞句」があれば
それを除いて判断し「文型」を決定します。前置詞で作られた「前置詞句」というものは文型を決定
するものではないのです。
この例文Aも、前置詞句[at that bookstore]を除けば[I
got the book]しか残りません。
これだけで判断して文型を決めるので、[SVO]の文型だとわかるわけです。
B She put a cup on the table. 『彼女はテーブルの上にカップを置いた」
→これも[on]以下が前置詞句です。これを除いて考えれば、[She]が主語(S)、[put]が述語動詞
(V),[a cup]が目的語(O)であるので[SVO]の文だとわかります。
C He stopped drinking. 「彼は酒を飲むのをやめた」
→この文は一見すると動詞のあとが[−ing]だから名詞ではないので目的語が無いような気がします
が、[−ing]は「動名詞」といわれるものです。動名詞とは、「名詞のはたらきをする動詞の形」のこと
です。つまり、[−ing]の形をとることで「名詞のはたらき」を持ってしまうということです。
→この例文のように動詞のあとに「動名詞」が来た場合、この「動名詞」は「名詞」と同じと考え、その
動詞の目的語と判断します。
→例文では[stopped]という動詞の目的語が[drinking]です。
→[ He
stopped drinking. ]と[
He stopped to
drink. ]の違いはわかりますか?
たぶん、この2つの文の違いを中学か高校の英語の授業で聞いたことがあると思います。
どこの学校でも言いそうなことですから非常に重要なものなので、知らない人は解説を読んで覚えて
おいてください。
[ He stopped drinking. ]は先ほど書いたように[SVO]の文で、[drinking]が目的語となります。
そのため、[stopped]が他動詞であると決まり、[stop]に「〜を止める、やめる」という他動詞の意味
があるから、その意味で解釈して「酒を飲むのをやめる」と読めるわけです。
[ He stopped to drink.]というのはAで書いたように[to]が前置詞なので「前置詞句」として読み、
この部分[to drink]を「附属部分」「単なるオマケ」として考えます。
[to drink]の部分を除いて考えると、[He
stopped]だけなので、これは「主語と述語動詞」だけの文
で目的語などありません。ということはこの文は[S+V]の文なのです。
[SV]だから、この[stopped]は自動的に「自動詞」であることが決まります。
つまり、[stop]のもつ「自動詞の意味」の中の「〜が自分で止まる」という意味で読み、「彼が止まる」
「彼が立ち止まる」という意味になります。[to
drink]はそれだけで「前置詞句」ですから単独で読み、
文の核[He stopped]につなげます。
[to]がつく句で文の後半にあるものはだいたい「〜するために」という意味をもちます。この[to]は
副詞的用法の[to−不定詞]なのです。[to]が、ここでは「〜するために」の意味で使われていると
文全体から判断し、「酒を飲むために」という意味だと判断します。
このように考えて、[ He stopped to drink. ]は「彼は酒を飲むために立ち止まった」という意味で
読めるのです。
D He decided to sell his car. 「彼は車を売ることを決めた」
→この文も一見すると[SVO]に見えません。[to
sell his car]が先ほどの「副詞的用法」に見える
からです。しかし、[to-不定詞]の「副詞的用法」と考えると「彼は車を売るために決めた」という
意味になってしまいます。これでも意味は通じなくもありませんが、これより[to
sell his car]を
[decided]の目的語と考えたほうが自然です。この[to]は「副詞的用法」ではなくて「名詞的用法」
なのです。[to-不定詞]というものを勉強するとわかるのですが、これにはいろいろな種類があり、
その中に「副詞的用法(副詞用法ともいう)」や「名詞的用法」などがあるのです。
この例文Dの[to]は「副詞的用法」というより「名詞的用法」で読んだ方が良く、「名詞的用法」で
読むと自動的に[decided]の目的語になります。
副詞用法で読むと、[to]の前で文が切れますから、[decided]の目的語が無くなり、[to
sell his
car ]の部分は「単なるオマケ」「附属部分」になります。
→[to-不定詞]には「名詞的用法」や「副詞的用法」そして「形容詞的用法」があり、この例文の
[to]以下は目的語ですからもちろん「名詞的用法」です。
つまり[to]を「名詞」と同じように使えるということです。
わかりやすく言うと、名詞的用法の場合は[to
--- ]の部分が「名詞」と同じ働きをもつのです。
不定詞というのは[to]に動詞の原形をつなげる形です。これが「名詞」と同じ働きをもつわけです。
そのため、意味は「名詞と同じような感じの意味」になるので、「〜すること」というような意味に
なります。動詞の意味を名詞のようにするには、多くの場合は「〜すること」という形にします。
この「こと」という部分が「名詞」だから全体として名詞のような意味になるのです。
→このような目的語になる[to-不定詞]は[decided
to 〜 ]のほかに、[want to 〜 ]などがあります。
これらは動詞のあとにつくので目的語と考えられ、名詞のはたらきをもつのです。