都連堂守くんシリーズ 第二話 無料のセキュリティソフトで大惨事
2009/1/29
あるところに、都連堂守(とれんどう まもる)くんと、阿波須人くんというとても仲のいい二人がいました。
須人くんは、パソコン部に入っていて、少しだけれどプログラムが書けるくらい、パソコンに詳しい男の子です。
ある日、須人くんは新しいパソコンを買ってもらったので、守くんを家に呼んでに見せてあげる事にしました。
「これが新しいパソコンさ」
「へえー」
新しいパソコンはとっても速くて、須人くんは大満足。早速いろいろなソフトを立ち上げて守くんに見せてあげます。
ソフトを触った後は、インターネットの面白いページを一緒に見ることにしました。
「ここの動画まとめサイトってすげえ面白いんだぜ」
そう言って須人くんが画面を開こうとすると、何故か赤色で「危険」と出てきました。
「どうしたの?」
守くんが聞くと、須人くんはちょっとイライラしながら答えました。
「ウイルスバスターだよ。こいつ、インターネットしてると、検索結果とか色んなところに危険とか書いてアクセスするのをやめさせるんだ。まじムカツクからアンインストールしちゃおう」
「そんなことしていいの?」
「いいんだよ。どうせ新しいパソコンに無料でついてきたやつだし。大体、セキュリティソフトなんてインターネットでダウンロードできる無料のやつで十分なんだよ」
言うが早いか、須人くんはウイルスバスターの体験版をアンインストールしてしまいました。それから何かを検索して、早速無料のセキュリティソフトをインストールします。
「ほら、こいつはずっと使ってても無料なんだぜ? ウイルスバスターなんてどうせ体験期間が切れたらお金払わないといけないんだから、こっちのほうがいいんだ。お前も無料のセキュリティソフト使えばいいのに」
無料のセキュリティソフトをインストールした須人くんはとってもいい気分になっていました。その横で、守くんは
「そうかなあ・・・」
と首を傾げています。
それから二人は須人くんが「面白い」と言っている動画まとめサイトを見たり、インターネットを楽しみました。
数日後。
「じゃじゃーん。見ろよ!」
須人くんは守くんに、オークションで落札した限定物のフィギュアを見せていました。
「うわあ、すごい!これどうしたの?」
「ネットのオークションでゲットしたんだ。すごくね?」
「すごい! でも、ネットでオークションなんてしていいの?」
守くんに聞かれると、須人くんは胸を張って答えました。
「うちの親はおれのこと信用してるからな。お小遣いの範囲でなら、ネットで買い物もオークションもしていいって言われてるんだ」
「へえー」
守くんはびっくりしたような顔をしています。
須人くんはますますうれしくなってきました。
しかしそれからしばらくして、突然、須人くんが部屋でパソコンをしていると、お母さんが怖い顔をして部屋に入ってきました。
「アンタ! ちょっと! この請求は一体何なのよ!!」
真っ赤な顔をしているお母さんにつきつけられたのは、クレジットカードの請求書です。
ネットで買い物をするときに、お父さんに「使っていいよ」と言われていたクレジットカードでした。
見ると、請求書は大変な金額になっています。
「ご、ごじゅうまんえん・・・!?」
須人くんはびっくり仰天です。
「お母さんもお父さんもね、使っていいとは言ったけど、お小遣いの範囲って言ったでしょうが!! アンタのお小遣いは三千円でしょ? 何でこんなことになってるの!!」
「ぼ、ぼく・・・ぼく知らないよぅ・・・」
須人くんはわけがわからなくなってしまいました。
だって、須人くんが使ったのは、フィギュアを落札する二千五百円だけなのですから。
「一体何に使ったの! 買ったんなら、今すぐ返品しなさい!!」
「か、買ってないよぅ・・・」
須人くんは自分の使ったお金ではないと言い張り、お母さんは返品しろという一点張り。うちの人が使っていないのなら、クレジットカード番号が誰かに盗まれてしまったというのでしょうか。困ってしまった須人くんは、守くんに電話をしてみました。守くんのお父さんはインターネットのセキュリティソフトの会社に勤めているので、インターネットのことに詳しいと思ったのです。
守くんに頼んで、守くんのお父さんに電話を変わってもらいました。
「須人くんはセキュリティソフト使ってるんだっけ?」
「はい、ずっと無料のやつ使ってます」
「そうか。守から聞いたんだけど、ウイルスバスターが危険だって言ったサイトを開いたんだって?」
「はい、開きました。だって、開いたって何も起きないし」
「原因はそれかもしれないよ」
「ええー!!」
驚いている須人くんに、守くんのお父さんは優しく説明してくれました。
「昔からウイルスやスパイウェアを検知する方法って、指名手配リストみたいなものに照らし合わせて検知する方法を取っているんだけど、それだと新しいウイルスに対応できないよね。だから指名手配リストを定期的にアップデートを行っているんだ」
「あ、それ知ってますよ。パターンファイルっていうんでしょ。おれの無料のセキュリティソフトもそれで検知しますよ」
「そう。でもね、最近のWebサイトには、ウイルスやスパイウェアを埋め込まれていることも多くて、しかもWebサイトにアップロードされるウイルスは次々と新しいものになっているんだ。新しいウイルスがアップロードされるタイミングが、指名手配リストを作って配信するタイミングより早くなったらどうなるかな?」
「え? うーんと・・・感染する」
「そうだよね。だから、ウイルスバスターはそういう、危険なウイルスやスパイウェアが埋め込まれるようなWebサイトの閲覧自体をブロックして防ぐ体制も取っているんだ」
「そ、そうなんだ・・・。じゃ、開いちゃったおれは・・・」
「感染してるかもしれないね」
「えー!!!」
須人くんはひどいショックを受けてしまいました。無料のセキュリティソフトでも絶対に大丈夫だと思っていたのに・・・。
「でも、でも、このクレジットカードの不正請求とウイルスとどんな関係があるっていうんですか?」
須人くんは守くんのお父さんを問い詰めます。
「ウイルスやスパイウェアを作る人の目的って、最近ではクレジットカード番号やパスワードをはじめとする個人情報をこっそり盗むことなんだ。だから、ウイルスに感染すると、知らないうちに盗まれてしまうことがある。そして、使われてしまうこともあるんだよ」
「そ、そんなぁ・・・」
自分が勝手にウイルスバスターをアンインストールしたせいで、こんなことになるなんて・・・。
須人くんは段々泣きたくなってきてしまいました。
「だから、インターネットをするなら、きちんとしたセキュリティソフトを使わないとダメなんだよ。しかも、君は親のクレジットカードを使ってオークションをしたというじゃないか。自分で責任も取れないうちからそんなことをするのは、絶対にダメ!」
「うぅぅぅ」
「とりあえず、お母さんにクレジットカード会社に連絡を取ってもらいなさい。それから、もう一度ウイルスバスターをインストールして、パソコンの中をちゃんとチェックする事」
「・・・はい」
「それから、今後こんなことが二度とないように、お父さんやお母さんに、勝手にインターネットで買い物ができないように規制をしてもらうようにするからね。ほら、お母さんに電話をかわって!」
「はい・・・」
その後まもなく、須人くんのパソコンにはウイルスバスターがインストールされ、須人くんが利用できるWebサイトも制限されてしまいました。
「見れるサイトが少なくなっちゃった・・・」
須人くんはちょっと不満もありますが、この間のようなトラブルが起こるよりは、全然マシです。
こうして、須人くんは安心してインターネットを楽しめるようになりました。
おしまい。
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※このお話はフィクションであり、実在の人物には関係ありません。