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アナリストの視点の日記

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■円高とゲーム会社の業績
[ カテゴリ未分類 ]    

円高が進行しています。2月28日のバーナンキFRB議長の発言でいくつかの中小金融機関の破綻を示唆したこと、ドルの下落がアメリカの貿易赤字の縮小につながると発言したことを受けて、世界の株価とドルが下落し、円高になりました。

通常、中央銀行は金融機関が破綻する云々の発言はしないものです。歴史を振り返ると、金融恐慌に至る過程で、風説、失言で中小金融機関の取り付け騒ぎが起こり、それがもとで中小金融機関が破綻し、更にそれが金融恐慌の発端になったことが少なからずあることがわかります。最近ではイギリスでノーザンロックが取り付け騒ぎの後、国有化されました。イングランド銀行は高をくくっていたのかも知れませんが、高い代償になりました。

また、為替についても、このような微妙で難しい時期にドル安を誘う発言は慎むのが普通です。アメリカの大手銀行、投資銀行にはまだまだ資本注入が必要ですが、新たな株主の筆頭候補は政府系ファンドですから、ドルが安くなってしまうと投資意欲を削がれてしまいます。というより、大量のドル債を抱えている政府系ファンドを困らせることはしないのが普通でしょう。「バーナンキリスク」が市場で囁かれる由縁です。

FRB議長のかかる発言について、各種メディアでは、アメリカの住宅市場の実態が証券市場が想定している以上に悪いことを市場に知らしめるためだとか、公的資金投入をブッシュ政権側に促すためだとか、言われています。そうだとしても、失言半分という感じもします。なぜなら、FRBの資金供給枠を広げたことは評価できますが、緊急利下げをしないというのは不十分ではないかと思うからです。利下げによる物価高騰を懸念しているとは思いますが、利下げしなくてもスタグフレーションの懸念はありますから、同じことです。あるいは、悪い指標が出尽くしてから利下げするつもりかもしれません。ただ、このような局面では、まず大幅な利下げをして徹底的な金融緩和をして、それでも良くならない場合は公的資金投入というふうに段階を踏むのが普通でしょう。

日本でも利下げが必要になってきました。景気が悪化し始めています。タクシーに乗ったら運転手さんに聞いてみてください。例えば東京では、外資系金融機関のリストラの影響や、物価が上昇に転じているにもかかわらず成果主義のために賃金は上がらないことの影響が景気に徐々に響いてきているようです。地価も気がかりです。このような中で日銀総裁人事の混乱が起きてしまいました。株式相場はかなり厳しい局面も覚悟せざるを得ないかもしれません。

円高がゲーム会社の業績へ与える影響を見てみましょう。

ゲーム会社の中で、円高のダメージが最も大きい企業は任天堂で、海外売上比率が77.9%(07/9中間期)あります。楽天証券の推計では、1ドルの円高で31億円、1ユーロで39億円、営業利益にマイナスに効いてきます。また営業外収支には、1ドル43億円、1ユーロ23億円のマイナス要因が発生します。このため、3月末のレートが1ドル=100円、1ユーロ=155円の場合、楽天証券の試算では、08/3期営業利益に300億円強、営業外収支に 800億円強のマイナス要因が発生します。一方で、Wii、DSともにハード、ソフトとも好調が続いています。このため、08/3期営業利益は会社予想の 4600億円(前年比103.5%増)を上回ると思われますし、経常利益も為替差損で会社予想4600億円(59.3%増)を下回ったとしても軽微と思われます。

来期も今の為替レートが続けば平均レートは1ドルで10円以上、1ユーロで5円以上の円高になりますが、営業利益に対する影響は成長力で十分吸収できると思われます。また、営業外収支に対しては、円高の程度が緩やかなものになるため、円高の影響は08/3期ほど大きくないと思われます(期末レートは、07 /3期末1ドル=118.05円、1ユーロ=157.33円なので、08/3期に大きな影響が出る)。株価は為替の影響を受けておりますが、実態は、高成長、高利益が続く限り円高は十分吸収して高い利益成長を維持できると思われるのです。

任天堂以外のゲームソフト専業(カプコン、コナミ、スクウェア・エニックスなど)については、任天堂よりも為替の影響は軽微と思われます。ゲームソフトの輸出は、ハードウェアのライセンス供与会社である任天堂やソニーに生産委託したゲームソフトを、ゲームソフト会社の海外子会社がドル建てで仕入れて現地で販売することになりますので、円高の影響を受けるのは、輸出の粗利益に対してのみです。また、輸出比率もおおむね50%以下なので(海外売上比率はカプコンが24.0%(07/9中間期)、コナミが18.4%(07/12期累計)、スクウェア・エニックスが8.6%(07/12期累計))、円高デメリットはないわけではありませんが、利益成長を揺るがすほどではないと思われます。また、ゲーム世界市場は成長が続いていますし、2月の「デビルメイクライ4」(PS3/Xbox360、カプコン)、6月の「メタルギアソリッド4」(PS3、コナミ)、09/3期下期と思われる「バイオハザード 5」(PS3/Xbox360、カプコン)、08年中と思われる「ドラゴンクエストIX」(DS、スクウェア・エニックス)など、多数の大型ソフトが日本のソフトハウス専業から発売されます。ゲーム会社にとって、円高は大きな脅威ではないと思われます。

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楽天証券経済研究所
アナリスト 今中能夫
(楽天マネーニュース[株・投資]第22号 2008年3月14日発行より)
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最終更新日  2009.03.09 11:55:24



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