【バンコク=山口智久】地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出量で、中国が07年に米国を抜いて世界一になったことが、国際エネルギー機関(IEA)が6日発表した統計でわかった。中国は今後も経済成長に伴って排出が増える見通し。13年以降の国際枠組み(ポスト京都議定書)の国際交渉で、先進国は中国に削減を求める圧力を強めそうだ。
07年の世界の排出量は290億トン(前年比3%増)。中国は60億トンと前年より8%増え、米国の58億トン(同1%増)を抜いてトップになったことが確定した。日本は12億トン(同2%増)で、国別ではロシア、インドに次いで5位だった。
中国の00年の排出量は31億トンで米国の半分だったが、右肩上がりの経済成長に伴って急増。IEAの試算では、積極的な温暖化対策を取らなければ、20年に世界の排出量に占める中国の割合は28%となり、米国の16%を大きく上回る。
また、中国が20年に向けて省エネなどの努力を進めたとしても、排出量が多い石炭火力発電所の発電量は07年と比べて約5割増え、事務所などからの排出量は4割増えると試算され、2位の米国の排出量との差はいっそう大きくなるとみられている。