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【格闘技】亀田大毅 判定負けで泣いた2009年10月7日 紙面から ◆WBC世界フライ級王座戦
大毅が泣いた−。亀田3兄弟の次男大毅=亀田=が、王者デンカオセーン・カオウィチット=タイ=に接戦の末、0−2の判定負け。07年10月、WBC世界フライ級王者内藤大助に挑戦、反則行為などで敗れてから2年。1年間のライセンス停止処分を経て、再び世界挑戦を果たしたが、王座奪取はならなかった。しかし、ジャッジの1人がドロー裁定をつけ、本紙評論家の元世界王者・畑中清詞さんは「大毅が勝っていた」という大健闘。試合後の会見では「悔しい。オレにはボクシングしかない…」と目を真っ赤にして悔し涙をぬぐった。11月29日、長男興毅=亀田=が、WBC王者内藤に挑戦。弟大毅の“敵討ち”に乗り出す。 「家族もおるし…。ボクシングしかないし…」。試合後、大毅は今後のことを問われ、悔し涙をタオルでぬぐった。会見は5分。一点をジッと見つめ、放心状態だった。2年前とは違う大毅がいた。結果は同じ黒星。ボクシングを冒涜(ぼうとく)する反則行為を連発した18歳が20歳になり、試合終了と同時に王者と抱擁。「できることはやった。(判定は)僕が言うことはないです」。潔く敗戦を受け入れた。 接近して左ボディー。序盤こそジャブを突いたが、単調になった。「悪かったことも多かったけど、いいとこもあった」。王者のボディーを食らっても耐えきった。11、12回、がむしゃらに右ストレートで猛追。だが、詰めが甘く、届かなかった。 反則騒動から謝罪会見。世間からのバッシング。そして1年間の出場停止。「引退」が頭をよぎることもあった。「これからどうしよう?」と考えた時、やっぱり戦うしかなかった。虚勢で亀田家を“演じていた”2年前より、「今の方が自然、構えなくてすむ」と素直に語る。 一方で内藤戦以降も「ホントに強い?」と疑念の声がついて回った。復帰時に宣言した「日本、東洋王座と順序を踏んで世界を狙う」という発言は軌道修正し即世界を狙った。だが、前に出ようとするたび、クリンチで逃げられた。首をかしげるシーンも多く、キャリア不足を露呈。世界を取るためには学ぶべきことがまだたくさんあることをあらためて知らされた。 「勝たなアカン、勝負は…。ファンにはありがとうと言いたい」 まだ20歳。地道に再起の道を歩めば、必ず世界が見えてくる。 (森合正範)
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