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大毅2度目世界戦も完敗「悔しい」/BOX (2/2ページ)

2009.10.7 05:03
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大毅2度目世界戦も完敗「悔しい」/BOX
デンカオセーン(右)に打たれる大毅。2度目の世界挑戦も実らなかった(撮影・森本幸一)【フォト】

 王者との差は歴然だった。試合終了の瞬間、両手を広げて喜ぶデンカオセーンとは対照的に、大毅は悔しそうに唇をかんだ。トレーナーに肩車され判定勝利を場内にアピールしたが、重い空気は消えない。リングアナが結果を読み上げる。1人目がドローで沸いたのもつかの間、残り2人のジャッジで地獄に突き落とされた。

 「まぁ、悔しいですね。正直、100(%)出せたかといえば出せてない。判定? 僕から言うことはないです。結局、勝負は勝たなアカンし」。涙声だった。

 経験豊富なデンカオセーンに、左右のボディーで確実にダメージを与えられた。4回からクリンチにきた相手に、大毅は首をかしげて不満をあらわす。8回に王者が背後に回ると、会場にどよめきが起きる。その現象は皮肉にも、2年前に大毅が内藤戦で犯した投げる行為を思わせた。前回は大毅に減点があったが、今回の王者にはおとがめなし。皮肉にも自分の過ちを逆手に取られた。

 内藤戦後、世間からバッシングを浴び、丸刈りにして謝罪会見に臨んだものの、一言も発さずに退席。代わりに長男・興毅(22)が75分にもわたって会見で集中砲火を浴びるのを、黙って見ているしかなかった。騒動が沈静化した07年12月、興毅と三男・和毅(18)に連れられ、リフレッシュも兼ねてメキシコへ出かけた。

 兄弟2人が練習に励む中、やる気が起こらず、無名のボクサーに鼻血が出るまで殴られても、反撃する気力もなかった。その姿に興毅が切れた。「何しとんのや!」。その言葉に目が覚め、帰国後は自分で練習メニューを考えるようになった。内藤戦で手数が出なかったことを反省し、瞬発力を高めるため10〜40メートルを繰り返しダッシュ。大毅なりにリベンジの方法を考えたが、世界の壁に再びはね返された。

 「このためだけに練習してきたし…。でも、おれには家族がおるし、ボクシングしかないし」。2年前のような反則行為はなかった。それでも世界には届かない。3度目の正直を信じて、大毅は一から出直すしかない。(江坂勇始)




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