北奥羽企業通信
(16)中長印刷(八戸市) 同人誌制作で評判に | |
(2009/09/20) | |
一般印刷部門とは別に、2000年ごろに従業員の提案で同人誌部門を新設。新規参入が難しい分野と言われるが、総合印刷のノウハウを生かし本格的に展開している。 中村正明代表取締役専務は「同人誌を専門にやっている業者は東北地方では珍しい」と話す。注文を受けてから約2週間で完成。ラミネート加工など技術的な点だけでなく、印刷から製本までの過程で一貫した品質管理ができることが他社にはない強みだ。 同人誌はアマチュアの世界といえども、制作者はプロ意識が高いため、作品を忠実に表現しなければならない。色の濃淡の違いや小さなごみが付着していないかなど、細部にまで気を使う。同人誌の多くはインターネットと連動しており、ネットを通じて同社の評判が全国に広がり、制作者の要望に応えることで信頼を得てきた。 最近では八戸三社大祭や八戸えんぶりの写真集、八戸地域の郷土料理の本も出版。新たな事業に挑戦し地域に貢献したい考えだ。三社大祭の写真集は「前夜祭」に山車を撮影し、翌日の「お通り」には販売している。 印刷業界は厳しさを増しているが、中村専務は「業界内の競争に生き残るため、挑戦し続けないといけない」と“第二の創業”に踏み切った理由を説明。「同人誌部門の売り上げはまだ数%にすぎないが、やり方次第では伸びる余地がある」と力を込める。※随時掲載 ◆メモ 本社は八戸市城下4の24の23。中村勉社長。1951年9月に設立。資本金1千万円。従業員30人。仙台市に仙台営業所を構える。会社のホームページはhttp://www.nakacho.net/ 【写真説明】 同人誌の印刷ができる業者として認知度が高まっている中長印刷 |