北奥羽企業通信

(8)美豊八戸工場(八戸市)金属、樹脂を微細加工
(2009/07/15)
微細加工を得意とする美豊。右のアルミ製の小片には4356個の極小の穴が開いている
 6ミリ角のアルミ製の小片に、50ミクロン(100分の5ミリ)の小径穴が4356個―。
 八戸市北インター工業団地に八戸工場を立地する美豊(みとよ)は、金属や樹脂部品の「微細加工」を得意とする機械加工メーカーだ。手掛ける製品の多くは手のひらサイズで、極小の世界が広がっている。
 2002年、誘致企業として同市に進出。新分野への進出を目指す中小、ベンチャー向けの賃貸型事業施設「テクノフロンティア八戸」に入居した。当初は営業所形態の事業展開だったが、取引先企業から「見える形で加工してほしい」との要望もあり、04年に設備投資し、製造拠点の一つに成長した。
 佐藤良和工場長は「地元の人材を積極的に採用し、従業員約10人で操業している。八戸地域の受注は対応できるようになった」と話す。
 県外の大手電子部品メーカーなどからの受注もあるが、最近では県内企業からの受注が逆転したという。
 製造しているのは、デバイスの設備部品や薬剤補充器の部品、小径穴でろ過するためのフィルターのような加工品など、単品加工から量産品までさまざまだ。
 対応できる材質はステンレスからアルミ、鋼材、樹脂など幅広い。持ち込まれた図面のない現物品の加工も引き受け、できるだけ企業側の要望に応えている。
 微細加工に特化する理由について、「企業の独自色を出すため」と説明。決して規模は大きくない同社が生き残りを懸けた選択でもあった。
 佐藤工場長は「製品一つから対応しており、納期や単価も柔軟にできる。お客さんのイメージに合わせた提案をしていきたい」と話している。

 ◆メモ
 八戸工場は八戸市北インター工業団地5の3の20。本社は秋田県由利本荘市。小松正美社長。1990年1月創業。資本金300万円。全従業員数は約20人。八戸工場の電話番号は0178(28)8393。
【写真説明】
微細加工を得意とする美豊。右のアルミ製の小片には4356個の極小の穴が開いている