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光母子殺害実名本、弁護団「約束違う」著者「本人OK」(1/2ページ)

2009年10月7日5時1分

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写真:接見での取材ノートを手に、実名報道について元少年とのやりとりを説明する増田美智子氏。右は出版社の寺沢有代表=6日午後、東京・霞が関、福留庸友撮影接見での取材ノートを手に、実名報道について元少年とのやりとりを説明する増田美智子氏。右は出版社の寺沢有代表=6日午後、東京・霞が関、福留庸友撮影

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で死刑判決を受けた被告の元少年(28)=当時18歳、上告中=の実名を掲載した本が出版されることをめぐり、元少年の弁護団が6日夕、広島市内で報道陣の取材に応じ、出版差し止めの仮処分を広島地裁に求めた経緯を説明した。申請は元少年の意思であるとし、元少年が実名掲載を了解したとする著者側の主張を否定した。

 本の著者は一橋大学職員の増田美智子氏(28)。出版する「インシデンツ」(東京都日野市)などによると、フリーライターの立場で元少年と関係者を取材して事件の深層を追ったとし、本は7日にも店頭に並ぶ。

 弁護団によると、元少年と増田氏が初めて接見したのは昨年8月。その後接見を重ねるうちに、増田氏から本を出版したいとの意向を伝えられた。元少年は「原稿を事前に確認させてくれるのか」と質問したところ、増田氏が了解したため、今年3月まで接見に応じ、他の取材対象者の名前なども教えたという。

 しかし、元少年が増田氏から原稿を見せられることはなく、9月になって本の出版予定が一部で報道された。弁護団が元少年と接見して確認したところ、「出版は約束に反しており、中止を求めたい」と話したという。

 弁護団長の本田兆司弁護士は「元少年は、自分の言葉を正確に伝えてもらうという趣旨で著者側に情報を提供し、原稿も確認させてもらうと約束した」と増田氏らを批判。「元少年の人格が侵害され、虚像が植え付けられていく。生死にかかわるような苦痛だ」として、今後、慰謝料などを求め、提訴することも検討していく考えを示した。

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