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【社会】

光母子殺害の実名本出版 元少年側差し止め申請 著者側『報道の自由侵害』

2009年10月7日 朝刊

光市母子殺害事件の被告の実名本出版差し止めの仮処分申請がなされたことについて記者会見する著者の増田美智子さん(左)と出版元インシデンツの寺沢有さん=6日、東京・霞が関の司法記者クラブで

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 著者の増田美智子さんは六日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「実名で報道することについては元少年の了解を得ている。(差し止め申請は)報道の自由に対する侵害行為だ」と述べた。出版元のインシデンツ(東京都日野市)の寺沢有代表によると、本は初版が四千部で、早ければ七日に都内の書店に並ぶという。

 増田さんによると、元少年とは昨年八月から今年八月にかけて二十五回面会。三月に実名で出版する意思を告げたといい、「彼は実名で書くことを重々承知している」と話した。実名での出版に踏み切った理由を「報道されている元少年の人物像と異なり、反省しようと真摯(しんし)に努力している青年だと分かった。彼の人格を表現するには実名報道が欠かせないと思った」と語った。

 寺沢さんによると、元少年の弁護団から先月二十八日、本の原稿を事前に見せるよう要求されたという。弁護団側は「元少年は実名掲載に同意していない。事前に原稿を見せる約束をしている」と話しているという。

 

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