光母子殺害の実名本発売、販売自粛の書店も

 光母子殺害

　山口県光市の母子殺害事件で死刑判決を受けて上告中の元少年（２８）の実名を題名に使ったルポルタージュ本が７日、東京都内の一部の書店で店頭に並び始めた。取次店のＪＲＣ（東京）によると、都内をはじめ全国の主要書店に４０００部が配本される予定だが、元少年が出版差し止めを求める仮処分を広島地裁に申し立てたことを受け、販売を自粛する書店もあるなど対応が分かれている。

　豊島区南池袋の「ジュンク堂書店池袋本店」では、この日正午頃、新刊コーナーなどに約２０冊が並んだ。一方、「三省堂書店神保町本店」（千代田区）は販売を取りやめた。渡辺祐二店長は「本社から指示があり、司法の判断を待つことにした」と話した。

　元少年の弁護団長で仮処分の申し立て代理人でもある本田兆司弁護士（広島弁護士会）は「決定が出る前に発売に踏み切る行為は、元少年の気持ちを無視したもので許せない」としている。