大毅潔い…成長の判定負け/ボクシング
<プロボクシング:WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇大阪市中央体育館◇観衆5742人
亀田大毅(20=亀田)が、王者デンカオセーン・カオウィチット(33=タイ)に0-2の判定負けで王座獲得に失敗した。悪質な反則を繰り返した末に大差の判定負けに終わったWBC王者・内藤大助(宮田)との世界戦から2年。王者の執拗(しつよう)なクリンチにも冷静さを失わず、心技ともに成長の跡を見せたが、あと1歩届かなかった。大毅は15勝(11KO)2敗。2度目の防衛に成功したデンカオセーンは48勝(20KO)1敗1分け。
12回を戦い抜き、勝負は判定にもつれ込んだ。1人目のジャッジはドロー。場内がどよめくが、大毅は表情1つ変えない。残り2人は2ポイント差で王者を支持し、判定負けという結果を突きつけられた。喜びを爆発させた王者陣営の対角線上から静かにリングを降り、無表情で控室に消えた。
試合後もふてぶてしかった2年前の内藤戦と違い、涙をぬぐって会見場に現れた。6分54秒。唇をかみしめ、うつむきがちに「悔しいな。おれがいかれんかった。試合を見てくれたファンにはありがとうと言いたい」と声を絞り出した。
あと1歩のところで決め手を欠いた。開始直後から王者のボディー攻撃と、執拗なクリンチを受けた。クリンチの際には反則スレスレの後頭部へのパンチも受けた。「結局、減点されてないのでテクニックと思う」と、最後まで気持ちは切らさず精神面の成長は見せた。だが、自慢のジャブも中盤から出ず、前に出ようとすればパンチを当てられた。疲労の色が濃かった王者のクリンチを振りほどいて攻撃するほどの荒々しさも出せなかった。
2年前の内藤戦の反則行為で世間から非難された。自分が悪かったと反省したが、その一方で、激しいバッシングにショックを受けて言葉が出なくなった時期もある。「王者になったら、あのこともよかったなって思えると思う。変わったところを見せたい」。そう信じて練習し、この試合にかけていた。だが、日本初の兄弟世界王者の夢も、亀田家の復活も、自分自身に対するリベンジも達成できなかった。
微妙な判定に父史郎氏は「WBAに提訴する。見ているお客さんはだれが勝ったか分かってるはずや」と激怒したが、20歳の大毅にはまだリベンジのチャンスはある。大毅は「僕から言うことはないですね」と潔く負けを認めつつも、次戦については「このためにやってきたし…」と言葉に詰まった。そして、こう続けた。「おれにはボクシングしかない」。この悔しさを糧に、また世界王者への道を歩き出すしかない。【浜本卓也】
[2009年10月7日8時22分 紙面から]
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