【バンコク=竹内康雄】中国の二酸化炭素(CO2)排出量が2007年に米国の排出量を上回り世界一になったことが6日、国際エネルギー機関(IEA)が公表した統計で明らかになった。中国の排出は今後も増え続け、30年には世界の排出の約3割を占める見通しだ。
バンコクで開催中の地球温暖化対策についての国連作業部会の会合に合わせ発表した。1990年時点で世界最大の排出国は米国で世界の排出の23%を占めており、中国は11%にとどまっていた。その後は経済成長に伴って中国の排出が急増。07年には中国の排出が21%となり米国の20%を上回った。
IEAは30年には中国の排出は世界の27〜29%に達すると予測しており、米国の同12〜14%を大きく上回る。京都議定書を引き継ぐ温暖化対策の枠組み(ポスト京都議定書)の交渉は大詰めを迎えており、先進国と途上国の対立が続いている。先進国は大排出国となる中国への圧力を強めているが、途上国側は温暖化の原因は先進国がこれまでに排出してきたCO2にあるとの主張を繰り返している。(01:47)