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大毅また世界の壁…それでも父は「抗議する」

また世界に届かず…試合後の会見で目に涙を浮かべる亀田大毅
また世界に届かず…試合後の会見で目に涙を浮かべる亀田大毅
Photo By スポニチ

 亀田3兄弟の次兄・大毅(20=亀田)が、悔し泣きした。6日、大阪市中央体育館でWBA世界フライ級王者デンカオセーン・カオウィチット(33=タイ)に挑戦。ボディーの集中砲火を浴び、後半の追い上げも届かず0―2判定負けした。反則騒動を巻き起こし大差判定で敗れたWBC世界フライ級王者・内藤大助(宮田)戦の汚名返上を胸に臨んだが、世界の壁にまたしてもはね返された。

 雪辱の思いは届かなかった。大毅は判定を聞くと、視線を宙に泳がせた。114―114のドローが1人、残る2人のジャッジはいずれも2ポイント差の115―113で王者を支持。「悔しいな。(2ポイント差は)僕が言うことじゃない。勝たなあかん、勝負は」。目に涙をため、何度も言葉を詰まらせた。

 序盤、デンカオセーンの左ジャブから右ボディーにつなげるコンビネーションで先手を取られた。大毅は得意の左フックと右ストレートを繰り出すものの、手数が少なく見栄えがいまひとつ。回を重ねるにつれ、左脇腹は赤く腫れ上がった。「左ジャブが少なかったのでは?」の問いかけには「初めの方は出た。組み立ても良かったから接戦になった」と反論したものの、攻撃が単調になった感は否めなかった。

 後半もスタミナに不安のある王者の老かいなクリンチに逃げ切られた。「向こうは減点も取られてないし、それもテクニック」とうなだれた。

 07年10月11日、反則にまみれた内藤戦から726日。1年間の出場停止を挟んでの世界再挑戦だった。時を経て「(反則は)負けるのが怖かったんやろな」と自分なりに内藤戦の答えを見つけた。もともと3兄弟の中でボクシングへの情熱が一番乏しく、父・史郎氏(44)に怒られ、泣きながら練習してきた。原点に戻ってガードを固めた亀田スタイルに、左ジャブとフットワークを取り入れて、意地を見せたが、雪辱の思いは砕け散った。日本、東洋太平洋のタイトルマッチを経験しないでの世界挑戦は、内藤戦でも批判を浴びた。プロで17戦して日本人との対戦は内藤戦のみ。真の実力は依然、謎に包まれたままだ。

 史郎氏は「誰が見ても(どっちが勝ったか)分かるやろ。抗議する」と判定に不満を示し、WBA本部に提訴することをほのめかした。だが、何かが足りなかったのも事実。世界への道はやはり険しい。

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