光事件の出版差し止めで著者反論 「報道の自由侵害」山口県光市母子殺害事件の被告の元少年(28)=死刑判決を受け上告中=を実名で記した単行本出版に対し、弁護団が出版差し止めの仮処分を申し立てたことについて、著者の増田美智子さん(28)らが6日、都内で記者会見し「本人に実名で書くと伝え、了解を得ていた。仮処分の目的は弁護団による事前の検閲。報道の自由への重大な侵害だ」と批判した。 同席したジャーナリストで出版元インシデンツの寺沢有代表によると、初版は4千部。7日に印刷会社から納品後、店頭に並ぶ見通し。 申立書では、元少年が取材を受けた際、原稿内容を事前に確認させることを出版の条件としていたが、約束が守られなかったと主張。弁護団は6日夜、取材に応じ「元少年は『信頼関係が壊された』と言っている」と話した。 増田さんらの会見では、9月26日に出版の動きが報道されると、弁護団から内容をチェックしたいとの連絡があった。面会の場などで断ったが、6日の報道で仮処分の申し立てを知った、としている。 増田さんは昨年8月から元少年と25回接見しているといい、実名で執筆した理由について「本人は幼さがあり、反省しようと真摯に努力している姿もうかがえる純粋な青年。報道されている人物像と違い、その原因は匿名にあると考えた」と説明。 今年3月に接見した際に、実名で書きたいと伝えると「書いてもらっていい」と返事があり、その経緯は取材メモに記されているという。 【共同通信】
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