4日午後0時35分ごろ、新潟県糸魚川市の雨飾山(あまかざりやま)(標高1963メートル)を登山中の男性から携帯電話で、「一緒に登っていた男性が倒れて意識不明になった」と110番があった。倒れたのは東京都杉並区浜田山、宮内庁式部官長、原口幸市さん(68)で、県消防防災航空隊のヘリコプターで同市内の病院へ運ばれたが、間もなく死亡が確認された。
同県警糸魚川署によると、原口さんは同日午前6時ごろ、同僚らでつくる登山同好会「千代田山岳会」の男性5人と登山を始め、途中で別ルートの1人と合流。同11時35分ごろに登頂した。正午すぎに昼食を取り、下山していたところ、登山道脇で突然あおむけに倒れたという。死因は急性心臓死。
雨飾山は糸魚川市と長野県小谷(おたり)村にまたがり、日本百名山の一つ。同署によると、同市側からのルートや山頂付近には急峻(きゅうしゅん)な場所が多いという。【塚本恒】
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原口さんは1964年に外務省入省。外務審議官、国連大使、日朝国交正常化のための本会談政府代表などを歴任した。07年6月に宮内庁式部官長に就任し、皇居・宮殿での行事を取り仕切ったほか、外国要人の接待などを担当した。今年7月には天皇、皇后両陛下のカナダ、米国・ハワイへの公式訪問に同行した。【真鍋光之】
毎日新聞 2009年10月5日 東京朝刊