自閉症ってなに?(復元記事)
テーマ:自閉症総論昭和42年、NHKのドキュメンタリー「太鼓と少年」を見て、自閉症に取り憑かれた。
彼と私は、ほぼ同い年。彼は今どうしているだろう。生きているだろうか。
以来、自閉症の事を考えていた。
「自閉症ってなに?」・・「カナー型とかなんとかいうやつでしょう?」
それは、単語だ。説明になっていない。
知ったかぶりの奴に歴史を聞いた時の様に、物知り顔の主婦に、詳しく話を聞こうとした時の様に、
仕事が出来ないヤツに仕事の説明を聞いた時の様に、
誰に自閉症の事を聞いても、聞けば聞くほど分からなくなった。
しかし、世の中偉い人が居る。ローナ・ウイング
だ。
1970年からこつこつとデータを集め、ついに自閉症の「自閉症」という概念化に成功した。
L.Wing(1988)'The continuum of autistic characteristics',in E.Schopler and G.B.Mesibov(eds),
Diagnosis and Assessment(New York:Plenum Press)
1988年のこの発表をきっかけに、幾つもの論文が発表され、関連が付き、自閉症を的確に
捉えられるようになった。
私が、どんなに求めても、得られなかった「自閉症」のヒント。
日本人に聞いて分からなかったことが、多くの英米の医者、本当の科学者の研究が翻訳され
直接読むことが出来るようになって、ようやく「自閉症」の大まかな形が具体的に分かるようになった。
真理に目を向けている本は、どの本も同じ事、つまり「自閉症」について語っている。
ところが、その切り口は微妙に違い、言葉(表現)がまた微妙に違い、
実物(私の妻)を観察して考え、私を観察して貰い、その様子を聞いてまた考える。
途中、自身、或いは妻のアスペルガー症候群としての診断もあり、さらに肉付けがされ、
ようやく、なんとか言葉にして説明出来るようになってきた。
私が、知り、私が得た一部ですが、自閉症の事を少しでも知りたい人へ、
私が呆けない内に、私と、妻と、さらにここで参加する仲間と共に、書き残して行こう。