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<痴漢>1都3県警察、撲滅作戦で足並み スリ捜査官も投入

10月5日15時1分配信 毎日新聞

<痴漢>1都3県警察、撲滅作戦で足並み スリ捜査官も投入
車内で警戒活動するパトロール隊=埼京線車内で2009年9月24日、久保玲撮影
 電車内での悪質な痴漢による被害の約8割を占める首都圏1都3県の警察本部が足並みをそろえて「痴漢撲滅」に取り組んでいる。取り締まり強化期間を設けて警察官を大量動員し、通常は車内のスリ摘発に努める捜査官を含めた特別チームを編成。近年、痴漢誘発の要因と指摘されるインターネットの書き込みにも目を光らせている。【千代崎聖史、川辺康広、池田知広】

 9月18日午前8時すぎ、JR横浜駅のホーム。1時間ほど前から電車を何本もやり過ごしていた不審な男が、制服姿の女子高生(16)の後ろから混雑する電車に乗り込んだ。

 一緒に乗り込んだのは、同日発足した神奈川県警痴漢撲滅プロジェクトチームのメンバー5人。その目は車内で男が左手甲で女子高生の尻を触ったのを見逃さなかった。

 「触られてたよね」。二つ先の駅で降りた女子高生に被害を確認し、男を県迷惑防止条例違反(痴漢)容疑で現行犯逮捕した。39歳のとび職の男だった。

 警察庁によると、08年に車内で発生した強制わいせつの認知件数は413件。このうち341件、82.6%を東京と千葉、神奈川、埼玉の1都3県で占める。この撲滅に向け、警察幹部は「被害者の勇気に頼るだけでなく『痴漢は捕まる』という雰囲気を作りたい」と話す。神奈川県警のプロジェクトチームは20日までを取り締まり強化期間とする。

 警視庁も9月中旬に5日間、摘発キャンペーンを実施。特別チーム5班を投入し、「痴漢電車」と言われるほど多発するJR埼京線での5人を筆頭に、計31人(盗撮含む)を逮捕した。キャンペーンには延べ約3000人の制服警察官も動員。捜査幹部は「検挙だけでなく『見せる警戒』は抑止につながったはず」と指摘する。

 また、ネットの掲示板で痴漢を呼びかける悪質な書き込みは「有害情報」として削除を要請する方針だが、キャンペーン効果はネット上にも及んだとみられ、約100の痴漢の項目が削除された。管理者が自主的に削除したとみられる。

 埼玉県警も9月24〜30日、特別チーム以外に、女性警察官ら100人以上による「痴漢犯罪撲滅パトロール隊」を設置。埼京線などの電車に乗り込み、警戒を強めた。1都3県の警察本部は今月末、鉄道事業者に車内への防犯カメラ設置について要請する方針。

 ◇警察庁が対策会議

 警察庁は5日、痴漢対策にかかわる1都3県の警察本部による首都圏警察担当課長会議を開き、巽高英生活安全局長は「4都県は一体の通勤・通学圏で、犯行が互いの都県にまたがるケースも多いと思われる。検挙や抑止対策の際は連携を強化してもらいたい」と訓示した。

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最終更新:10月5日15時7分

毎日新聞

 

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