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被告に懲役12年求刑 栗山・3人死亡事故

2009年09月25日

■遺族「最高刑を」

 空知支庁栗山町で7月、乗用車3台が衝突して3人が死亡、1人が重傷を負った事故で、自動車運転過失致死傷と道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)の罪に問われた同町雨煙別、元JA道央職員今村浩和被告(35)の初公判が24日、札幌地裁岩見沢支部(井上秀雄裁判官)であった。

 今村被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は懲役12年を求刑し、結審した。被害者参加制度も適用されて、遺族2人は「できうる限りの最高刑を」と裁判官に求めた。判決は10月22日に言い渡される予定。

 この事件では、検察側は当初、法定刑がより重い危険運転致死傷罪の適用も検討した。検察側は論告で「運転ミスで起きた単純な過失犯とは明らかに異なる。危険運転致死傷罪に該当する事件に勝るとも劣らないほど危険極まりない運転だ」と非難。「多量のアルコールの影響で無謀運転に及んだ」と指摘した。

 弁護側は最終弁論で「初めから飲酒運転しようとしたわけでなく、今は深く反省している」と述べた。

 飲酒運転について、今村被告は「飲酒後に車の中で休もうとしたが、携帯ゲームの電池が切れていて早く帰ってしたかったから」と当時の心境を答えた。

 遺族の意見陳述には、亡くなった横山忠さん(当時67)と妻絹子さん(同63)の長女と次女が出廷。長女が声をつまらせながら「身勝手な運転で、ぜいたくもせずまじめに生きてきた両親を奪った被告を許せない」と訴えた。

 起訴状などによると、今村被告は7月13日午後9時すぎ、仕事帰りに酒を飲んで乗用車を運転、同町の国道234号で前方を確認せずに100キロを超える速度で追い越しをかけたが対向車を見つけて元の車線に戻ったところで前を走っていた同町の男性(22)=重傷=の乗用車に追突。弾みで対向車線に飛び出した男性の車と、対向してきた同町の横山さんの乗用車を衝突させ、横山さん夫妻と、男性の同乗者の同町の会社員渡辺りえさん(同20)を死亡させたとされる。

 また、自分の運転で死傷させたのに救護措置をとらず、消防や警察にも事故を通報せず、警察官らの到着後に立ち去ったとされる。

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