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空自のイラク空輸、7割は米中心の多国籍軍兵員

10月6日12時19分配信 読売新聞

 防衛省が、イラクで空輸活動を行っていた航空自衛隊の活動を記録した「週間空輸実績」について、情報公開法に基づき、請求者に情報開示していたことが、6日わかった。

 請求者は自民、公明の前政権時代に再三にわたって情報開示を求めてきたが、「任務の遂行に支障が生じる」などの理由で公開されなかった。

 空自はイラク復興支援特別措置法に基づき、2004年3月、C130輸送機3機を派遣し、サマワの陸自部隊や多国籍軍の後方支援活動に従事していた。06年7月、陸自部隊がサマワから完全撤収した後はバグダッドへの空輸活動が主な任務だった。

 請求したのは岐阜県大垣市の近藤ゆり子さん(60)。開示された「週間空輸実績」は06年6月から、空輸活動が終了した08年12月までの124週間分で、その間の運航日数は467日だった。輸送人員は延べ2万8000人で、うち約7割が米軍を中心とした多国籍軍の兵士だった。

 近藤さんはこれまで5回にわたり、請求を行ってきたが、「実施期間」「運航日数」以外の項目はすべて黒く塗りつぶされていた。不服として、4回にわたって異議申し立てを行ったが、このうち3回は「復興支援活動に従事する関係国などとの信頼関係を損ねる」などの理由で開示されなかった。

 今回の異議申し立ては7月に申請。新政権が発足した直後の先月24日、北沢防衛相名義の通知が届き、全面開示された。近藤さんは「これまで民主党は自衛隊のイラク派兵に反対していた。自衛隊をイラクに送ったのは何だったのか。与党になって検証できるかが大事になる」と話した。

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 航空自衛隊のイラクでの空輸活動について、防衛省は7月、活動実績をまとめ、国会に報告している。

 報告資料によると、空自が活動を始めた2004年3月から活動を終了した08年12月までに輸送した人員は4万6479人。このうち米軍関係者は2万3727人で51%を占める。その他はオーストラリア軍が1162人、韓国軍が175人だった。また、国連の輸送支援は06年9月から始まり、2799人を輸送した。

最終更新:10月6日12時19分

読売新聞

 

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